思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『火の鳥(11)』

☆☆☆★

『太陽編(中)』未来のエピソードの比重がふえている。火の鳥教団とも呼ぶべき「光」と、地下に差別されて押し込められるシャドーという、(ディストピア未来ものSFではお馴染みの)設定で、シャドーのスパイが、光教団の御神体である火の鳥を盗むミッションに挑み、失敗する。
飛鳥時代編では、吉野へ移った犬上の元へ、朝廷と仏教神(仏教徒としてはこういう表現は使いたくないが、『虚無戦記』的な感じとして)が押し寄せる。犬上に大和は土着の神々が加勢し、水木しげるを意識していたかどうかは分からないが、まさしく『妖怪大戦争』が繰り広げられる。そのもののけたちのデザインの独創性、デザインラインの完成度には、感服せざるを得ない。