思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

火の鳥(13)

手塚治虫
☆☆☆★
秋田書店漫画文庫

エジプト編、ギリシャ編、ローマ編、黎明編
エジプトからローマまでは、続いているとも、別の話とも言える。いかんとなれば、火の鳥の生き血を飲んだ恋人たちが、殺されては、土地を流れて、そこで兄妹としと戦争に翻弄されながらロマンスを展開する(子供向けなので、ラブロマンスというほどでもない)。
黎明編は、昭和29年という、シリーズとしとは最初期に描かれたもの。こちらは日本人がどこからきたのか、という古代史にまつわるもので、太陽編の雛形と言えるかも。ちなみに、南方民族渡海説で、近年の定説である朝鮮半島からとは異なる。イザナギイザナミが、火の鳥の血を飲んでいた、という趣向だ。
作者も、後に展開するほどの大河シリーズだと思っていたとは思えないので、ちょっと趣きが異なる。作中で、火の鳥の血を割と簡単に飲めるのもその一つ。後のシリーズでは、ほとんどマクガフィンなみに、誰も飲めないか、各編で1人か2人、というイメージなのだ。30年くらい前に読んだ記憶だけど。少年マンガだから、というのもあるかも。
火の鳥が、冒頭に火の中から蘇る、と書いてあるのに、卵を生んで子育てする、というのも違和感がある。

そんなこんな以前に、現在のマンガ文法というか、表現方法が全然違うので、読むのにいたく苦労した。
文庫なんて読めたもんじゃない(^^;) ハードカバー愛蔵版くらいのサイズがないと、キャラの顔が見えないのだ。イメージとしては、画面全体をキャプチャーしたアニメのフィルムコミック、という感じ。基本的にキャラは全身が描かれているだけでなく、1コマ内の登場人物数もメチャクチャ多い。
1コマ内に含まれている時間の幅も含めた情報量は、現代のマンガの4倍くらいはある。