思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

火の鳥(1)

手塚治虫
☆☆☆★
秋田書店漫画文庫

やはり十三巻を先に読んで正解だった。比べてみれば、特に未完だった黎明編を元に、アップグレードしたものが本作であることもよくわかる。火の鳥血は、やっぱり本作中では誰も飲めないし(^^;)
マンガとしても、普通に読める。
特定の主人公がいないので、重要そうなキャラでも簡単に死ぬし、死者数じたいもメチャクチャ多い。古代の戦争の話しということも要因としてあるのではあるが。
そのくせ、ギャグシーン、というかギャグタッチのコマもちょくちょく出てくるというのが手塚治虫マンガのバランス。
作中に出てくる古代史は、現在の目で見るとちょっと古いところもあるが、まあめくじらを立てるようなものでもあるまい。
ラストは、ハッピーエンドとも、何も未来がないバッドエンドともとれる。
なお、アメノウズメは、醜女として出てくるが、奴隷として手籠にされるのを防ぐための化粧であって、それを落とすと美人、という設定が面白い。まあ、よくあるメガネを外したら可愛い、というののバリエーションとも言えるが。奴隷のくせに、いつどうやって化粧するのか、というツッコミは可能なのだが、まあスルーで(^^;)