思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ミッドナイトクロス

☆☆

デ・パルマ映画ということで観てみた。
映画の効果音技師が、夜に録音作業をしていると、車を狙撃する音に出くわし、さらには湖に転落する車から、女を助け出した。
車が転落した時点で死んでいた男がいたのだが、それが大統領(州知事だったかも)候補だと分かる。
雑誌に、たまたま高感度フィルムで、事故の瞬間を撮影していた記者が、連続写真を雑誌に掲載する。
主人公(ジョン・トラボルタ)は、雑誌の連続写真をフィルムに一コマずつ撮影し、自分のが録画したテープをサウンドトラックとして、映画を完成させる。
それによって、ハンドルを誤ったのではなく、銃撃音と閃光が同時に映っていることを突き止めるが、警察に行っても相手にされないどころか、証拠として提出したフィルムが消えてしまう。
……と、あらすじを書いてみると、そんな偶然あるわけないやろ……? と言いたくなる、まるで子供向けアニメみたいな、音の録音と、サイレントフィルムを合体させる、というワンアイデアを実現するために逆算されたプロットである。
パルマらしく、手前に赤い照明での顔のドアップがあって、その横に後ろの景色が、どちらもばっちりピントがあっている、という合成のような一発撮りのような、不思議なカットが数回ある。

以下ネタバレ


助けて出した女が、美人局的に記者とつるんでいて、フィルム撮影まで予めしくまれていた、というところは、かろうじて御都合主義を逆手に取って、整合性をギリギリ担保している、という感じ。
トラボルタが、昔の刑事で、相棒が囮捜査する際に、当時最先端であっただろうマイクを仕込んで、大きなバッテリーを腹に巻いたら、汗で漏電した、という、ギャグなんだか真面目なんだかわからない過去エピソードも。