思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『アルプススタンドのはしの方』☆☆☆★

評判が良かったので期待していたが、それほどとは感じなかった。甲子園大会地方予選の1コマの、さらに片隅、応援する生徒たちだけにスポットを当てたもの。元は高校演劇で、純粋に観客席だけで構成された舞台劇だったらしい。
メイキング『アルプススタンドのはしの方のうらの方』を見るとわかったが、本作では、ブラスバンド部のエピソードと、エピローグとして数年後の再会シーンが追加されている。むしろそういうののない、舞台劇バージョンをこそ観たかった。
本作も、青春とは何か? というテーマの小品として捉えれば決して悪くないのだが、期待しすぎたかもしれない。
1試合の間に、登場人物たちが現在抱えている問題やコンプレックスが全て解決、あるいは前向きになる、というのは『カメラを止めるな!』的に取られられれば高評価になるのかもしれないが、お話(フィクション)の王道なだけ、とも言える。
ブラスバンド部長役のヒロインは、どこかで観たことあると思っていた(それも本編ではポニーテイルのせいか気づかず、メイキングで初めて)ら、『ウルトラマンZ』のヒロインであった。

2020年 日本