☆☆☆★
原題はカジノ・ロワイェール？
最初に白黒画面から始まるアヴァン・タイトルはなかなか格好よかった。
観ていると、ボンドはドジっ子で、最初のアフリカでの大立ち回りから、失敗ばかりでは？
上司のMも、ボンドの侵入を許したりと、鈍臭すぎ？
最初にボンドが手を出す女が、さっそく組織に気づかれて殺されるのは、定番なのか、新ボンドが未熟者であることの演出なのか？
カジノでの戦いも、せっかくのポーカーなのに、ボンドの手札がわからないから、全然手に汗握ることがない。どうせカジノとタイトルに銘打っているんだから、対戦に備えてポーカーの修行するとか、盛り上げる工夫があったら良かったのに。カジノらしさといえば、敵がル・シッフルという、シャッフルをもじった名前であることくらい(´Д｀)
映画を盛り上げるためとはいえ、今回のボンド君は何回も危機に陥る。ギャンブルで持ち金使い果たした時は、たまたま同じテーブルだったCIAに助けてもらったからあいようなものだし、ストレートフラッシュという運だけで買ったポーカーの賞金の暗証番号を聞き出すために組織に拷問されたりした時も、何の秘策もなく強がっていたら、たまたま助けが来ただけだし。股間だけを責める拷問ってのは、町山氏が喜びそうだったが(´Д｀)
クライマックスバトルは、ヴェネチアのとある家だか倉庫だか。何故か大型の浮袋で浮いていて、それを射撃すると、建物が崩れながら沈む。そんな状況あるのかなぁ……？ 補修中の応急処置？ ただ、それが崩れるところを引きで撮影したショットは、実写かミニチュアか分からず、驚かされたけど。（何故かCGではないことは分かった）
ボンドガールの本命だった、M I 6の財務省会計お目付役のヴェスパーが、恋人を人質にされたので敵のスパイだった、のはともかく、このたまたまギャンブルに買っただけのドジっ子に耽溺する理由は、ストーリー上の都合以外には全く感じられなかったけどなぁ……。暗証番号を聞き出すための演技ならいいけど、完全に惚れてる演出でしょ？
アフリカの武装勢力以外に、さらなる黒幕が、という話で、いったいいつまで続くのか、と思ったが、そこにたどり着いたところで、「俺の名はジェームス・ボンド」その直後にテーマ曲と共にエンドロール、というスパッとした終わりだけは良かった。終わり良ければ全て良し、とまではいかないけど、観ながら感じたもやもやはスッキリした。どうせなら、タイトルもここまで出さなければなお良かったのに。
