思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

パッセンジャーズ

☆☆☆★

めちゃ紛らわしいが、『パッセンジャー』とは別物。
本作では、飛行機事故の被害者のトラウマをケアする精神科医アン・ハサウェイが、奇妙な男の出現や、事故の謎と対面することになる。
精神科医が、カウンセラーとしと、クライエントと恋人関係になるのは禁断の事項だが、本作では、最初は男のほうから、中盤にはハサウェイのほうから進んで落ちてゆく。特に男のほうは、完全に自分が持てる/押して行けば女は断らないと思っている男の言動で、持てない男あるいは関心ない女の立場からすると実に不快。それでも落としてしまうかは、世の中に勘違い男が増え、ストーカー被害に困る女性が増えるんじゃないかなぁ……。
最後まで観れば、それらにも、作品内での理由があったことがわかるのだが。
私的には、途中までのプレイボーイ恋愛もの的な展開が☆☆、ラストで☆☆☆★まで持ち直したか、という感じ。
なお、テレビの吹き替え版で見たのだが、セリフが大仰というか、くどすぎて内容と合っていないと感じた。日本語版で、音響監督や声優の力量の重要である事が改めて実感できた(^_^;)

以下、ネタバレ

本作は、普通の字義通りのトラウマ克服恋愛ものかと思わせて、実は仕掛けあり、というのが最大の売り。
実は主人公は死んでました、というどんでん返しもの。というと類似作が浮かぶが、それとは異なるのが、主人公もヒロインも(どちらが主人公かは微妙なので、要するに男女どちらも)、それどころか飛行機事故を生き延びてトラウマを克服しようとしていた関係者(登場人物)ほぼ全員が死んでいた、という凄い設定。煉獄ものとでもいうか、『大霊界2』というか(^^;)