思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『シオリノインム』☆★
いわゆるピンク映画というのだろうか。祖母の家に一人暮らしすることになったシオリだが、夜な夜な誰か(何か)に犯される、いわゆる淫夢に悩まされる。だんだん頻繁になり、ついには起きている間にも・・・というお話。
犯されるとは書いたが、強姦というほどでも無く、正体不明なのが怖い、というだけ。まあ、それだけでも十分ホラーなのだが。
終盤にようやく出てくる侵すものの正体は、真っ黒い全身ラバースーツに、バカみたいに巨大な棒が股間に突き出たもの。完全にお笑いコントか、自主制作映画のレベル。その実態は、どうやら過去に彼女が原因で別れることになった元カレの亡霊(未練。別に死んでないから(^_^;))らしい。
ようやく「もう恋なんてしない」を克服して、新しい男と付き合う(いきなりセックス、というあたりがピンク映画らしい強引さだが)。
それでめでたしめでたし、と思いきや、2年後に何故か再発するところで映画は唐突に終わる、というなんともテーマ性がありそうな感じ(で、多分ないと思う)で幕切れ。エンドロールも実にホラーっぽい、SEのようなインスト曲。
主演女優は、全く知らない人で、演技がうまい訳でも美人でもないが、髪をまとめた時に、姫カットとまではいかないが、細長いもみあげ(?)が可愛い。また、クライマックスに淫夢を克服した後で全裸で庭に出るシーンは実に美しかった。本作で良かったところ、と言われたら真っ先にこれを挙げる、これだけでも観る価値はあったかも。