思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

十三人の刺客』☆☆☆☆
リメイク版らしいが、そちらも原作(?)も知らない。最初こそ胸糞だが、最初の20分は、悪役がどれだけひどいやつか、ぶっ殺しても当然、というやつかを描くため。要するに『北斗の拳』の序盤のそれと同様。それをすぎれば、エンタメ活劇が待っている。
ただ、いくらフィクションとは言え、(映画『西太后』に代表されるような)中国じゃないんだから、あんな暴虐な殿様、あんなやつおらへんやろーー(´д`)
本作が凄いのは、稲垣吾郎の演技とかではなく、8割が脚本だと思う。ただ、脚本段階でラストバトルが50分もあったのかどうかは怪しいが・・・。
本作は、リメイクネタを知らずに評するなら、要するに『忠臣蔵』プラス『七人の侍』である。特に山の民は露骨に『七人の侍』の菊千代である。それをさらにばかばかしくパワーアップさせた感じ。
50分のラストバトルは、見終わってから知ったのだが、確かに長いな、とは感じだが、そこまでの長さは感じなかった。ただし、やっぱり矢が尽きていないのに弓矢を投げ捨てたり、なんと言っても、最初に全員が弓矢で大将を狙撃しなかったのは引っ掛かった。
演出的には、最後に旧友の二人の一騎討ちになるところからセリフが多くて冗長になるのが惜しい。大将を含めて3人対主人公サイド2人になってからエンドロールまで3分くらいでサクッとケリをつけてくれれば、エンタメ大作として☆☆☆☆★にしても良かったくらいだ。
考えたら、序盤はリアリティ重視で、ラストになってぶっ飛び展開になるのは『シン・ゴジラ』とも共通する、よくできた娯楽映画の成功要素なのかも。