アントニオ・ザドラ+ロバート・スティックゴールド著/藤井留美訳
☆☆☆★
紀伊国屋書店
邦題、原題とも同じで、そこから連想される、夢に関する科学的研究をまとめたもの。
それは有名なフロイト以前から始まる。フロイトの理論はあまりにも知られているが、実は先例があるものがほとんどだったり、後の研究者からは否定されているものが多く、過大評価だそうだ。
「ふだんから寝言の多い28名(略)寝言が出るたびに起こして、どんな夢を見ていたかたずねた。すると寝言の内容と夢の内容は、半分も一致しなかった」
「たとえばタイピングが一夜にして上達するかどうかは、深夜のN 2睡眠の量に左右される。言語記憶はN 3睡眠が、じょうどう記憶や問題解決はレム睡眠が受けもっている。」
「プラゾシンは、PT SD患者の悪夢を軽減する薬として推奨されている。」
「悪夢の脚本を「書きかえ」、視覚イメージを使って新しい改訂版を毎日数分間「稽古」する(略)。悪夢を肯定的なもの、勝利感があるものへと大転換させ?のではなく、自分になじむ筋書きを自由に模索するのだ。」