☆☆☆★
講談社文庫タイガ
山火事の中の殺人事件、というと、『シャム双生児の秘密』とか、有栖川有栖の某作品を思い出した（が、山火事ものはなかった、何かと勘違いしたかな？）。
嘘を見抜ける特異体質の高校生探偵のワトソン役が主人公。そこへ、年上の元女子高生探偵が現れ……。
舞台は、『硝子の塔の殺人』でも見た、探偵小説作家にしてコレクターのからくり館。山火事が迫る中にしては、緊迫感の薄い『嵐の山荘』もの。映画なら、十分、これだけでパニックものとして成立するのだが・・・。
BLと百合をどっちも入れたような描写（同時に、ではなく別のカップル(^^;)）は、若者や腐女子狙いなのか、作者の特徴なのか、どっちだろう。
展開的には『翼ある闇』みたい。
読み終えて見ると、あまりにも偶然が重なりすぎていて、あからさまに前例のないプロットを成立させるために逆算して書かれたのが丸出しなのが、スマートじゃないなぁ……。
