思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

科捜研の女 劇場版』☆☆☆☆

テレビスペシャルもちょくちょくやっている印象だし、絶対に一年後にはテレビでやるやろ?! という映画を劇場に観に行くのはよほどのファンだと思うが、公開一週後だがガラガラではなかった(^_^;)
準レギュラーや、卒業した過去のレギュラーなどオールスター作品ということで、知っている人も知らない人も出てくるのが楽しく、尚且つ、サービスだけでなく、うまく役割を持って配置されていたと思う。パンフが売って(作られて?)いないので、公式サイトでの登場人物一覧は是非とも目を通しておきたい。私は、マリコバツイチだとは知っていたが、渡辺いっけいが元夫だとは知らなかったので、ちょっと混乱した。
後は、レギュラーのくせにデジタル担当の山本さんの声がアイドルまたは萌え声だったのに違和感があったが、中盤以降は直っていた。順撮りだったので、次第に元のカンを取り戻したのかな??
佐々木蔵之介、テレビ本編に出ていた気がしたのだが、今回は別人役? 勘違い?? 彼の研究室は、双子の被験者に透明ビニールで作った小型レドームみたいな、まるで安っぽい新興宗教みたいな演出はどうかと思った(´д`) やっている研究自体は科学的(化学的)にまっとうで、それは最後まで変わらないのが科学番組としてよくできているところ。
予告編や宣伝にあった「最終実験を始めましょう」というのはなかったと思うけど、予告編専用に撮ったけど、ボツにした??
出演者コメントで「画面が全カット、映像がキレイ」とあったが、それは言い過ぎにしても、やたらと凝った構図やカメラワーク、アングルが多かったのは一目瞭然。間にブラインドや窓、ビニールハウスなど、いろんな物を挟んだり、縦に並んだ人物のピントを順番に変えて行ったり。一番驚いたのが、おなじみの京都府警(とされる)の屋上にいるマリコと土門が奥にいるところ、遠く(手前)からカメラが寄っていくところ。ドローンにしては画質が良かったが、屋上でクレーン? 高画質のドローンカメラ??
なんと言っても川井憲次(劇伴)映画としては満点! というのが本作最大のウリかも。大人の事情でエンドロールだけは例によって歌ものかつ川井さん作曲・編曲でもないのが唯一の残念ポイントだが。テレビシリーズの劇伴をベースに生音源やコーラスでグレードアップする手法は『ガンダム00』と同じ。冒頭の東映マークを含めて4、5回流れる『科捜研のテーマ』も最高! 中でもクライマックスで流れる『科捜研のテーマ 最終決戦』は、サントラのタイトルを含めて『ガンダム00 劇場版』のクライマックス曲『FINAL MISSION~QUANTUM BURST』のある意味オマージュかも。普通は『科捜研のテーマ』は2コーラス(?)構成のところを、まさかの3コーラス目が流れるところは、コンサートでよくある「ワンモアタイム!」というのを想起させ、「私、なんで泣いているんだろう?」状態に(^_^;)
ラストでは『科捜研のテーマ』バリエーションではもっとも好きな「シーズン12」で締めるのも最高だった。

以下、ネタバレ

本作では佐々木蔵之介がどこからどうみても犯人で、どうやって殺人を行ったのか? アリバイ崩し? 遠隔操作? プロパビリティ? などと思わせておいて、実は別の犯人がいた、というフーダニットものだった時期のシーズンを思わせる、ミステリー好きも楽しめる脚本になっているのが良い。ただし、犯人も含め、情報を隠す(取り調べ時に事実を言わない)ことが何人かに起こっているので、完全にフェアとは言い切れない(^_^;)
腸内細菌の説明も科学的に正しく、耐性菌とかの使い方も面白い。どうせなら、腸は第二の脳である、というあたりにも触れて欲しかったけどなぁ。