思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

クレヨンしんちゃん B級グルメサバイバル

☆☆☆★

アクション、ギャグそれぞれを見れば、クレしんとして及第点なよだが、ストーリー的にどうにも納得しかねる点が2つ。
ひとつめは、図らずもみさえとケンさんのオンナ(名前を覚えられなかったが、クレしん映画定番の、地味な声のゲスト声優)が牢屋から出るためのケンカで喋ってたから、自覚はあるのだろうが、大事な秘伝のタレを、通りすがりのガキんちょに配達を頼んだこと。いくらなんでも田んぼのど真ん中じゃあるまいし、街中なので大人に頼む以外の選択肢はあり得ない。いくら主人公だからって、看過できない。
いやそれ以前に、秘伝のタレって、普通は継ぎ足し継ぎ足し使うもんでしょうよ? なんで家にしまってるの?! 百歩譲って使う用と保存用に分けてあるとしても、大イベントなんだから、その日使うぶんは持ってきてるでしょ?
もうひとつにして最大の不満は、クライマックスで、その秘伝のタレを使った焼きそばを作ったのがしんちゃんたち子供5人だったこと。誰か料理が得意だ、という設定が定番であるならともかく、少なくとも私は知らないし、映画としては序盤で、焼きそばを作っているシーンを入れる必要がある。
だいたい、ギャグアニメのクレヨンしんちゃんなんだから、しんちゃんが作ったら、こげこげになるのが妥当な展開であろう。
ここは、どう考えても、秘伝のタレをケンさんにパスして、ケンさんが屋台に向かうのをしんちゃんたちがサポートし、ケンさんが焼きそばを焼きながら、襲いくる敵を蹴散らす、というのが筋でしょ?(´Д`) というか、本作の設定なら、これ以外はあり得ない。
また、フード理論的に分析するなら、本作の敵であるA級グルメしか認めないやつら(名前覚えられん(^^;))は、ちゃんと手をかけて料理しろ、というのが完全に真っ当な主張であるため、敵としと倒す理由がない。なので、B級グルメの会場を暴力的に占拠したり、トドメとしてしんちゃんのチョコビを捨てたりするしかなかったことからも、ちょっと苦しい展開にしている。
B級グルメをテーマにクレしん映画を作るなら、徹底的にバカでハチャメチャギャグにするしかなかったんじゃないかなぁ……。映画ならではの大きな敵組織と戦う、という定番フォーマットに縛られすぎた失敗作だと思う。
親玉が、実は小さい時から焼きそばに憧れていた、というのもありきたりで全然感動できないし。