思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『なぜ、詐欺師の話に耳を傾けてしまうのか?』多田文明
☆☆☆☆
彩図社

騙され体験ルポライターの著者が、キャッチセールスに特化して書いた物。
内容は類書とだいたい同じだが、より街中での実践編として役に立つかも。

「路上から会場に客を連れていくときには、勧誘の目的を告げなくてはならない。これは特定商取引法で定められている。」

「詐欺師は巧みに話のスピードを変えながら、相手を誘導する。(略)まず一方的に話をして、伝えたい情報を相手にインプットさせる。次に急にペースを落として、相手の頭にさまざまな疑問、質問を生じさせる。そしてわざと間を作ってそれを口にさせる。
 すべては相手に疑問、質問を吐き出させ、それを徹底的につぶして、契約に同意させるためである。」

「キャッチセールスの勧誘員は、相手の心を自分たちに向かせるため「現在の生活に満足していますか」と聞いてくる(略)その質問に「不満あり」と答えようものなら、彼らはこれを糸口にして、高額な商品が並ぶ販売会場に私たちを連れていこうとする。」

「たった一度のクリックで契約が締結される。これは電子消費者契約法上で禁止されている「自動契約または自動登録」にあたり、法的な拘束力はないに等しい(略)1番の解決法は「ひたすら放置する」こと」