思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

魔界転生』☆☆☆★

20年前くらいには観ていて、数年前にも観て、感想も書いたと思っていたのだが、ないみたい。
完全にイロモノ/C級映画のテイストなのだが、これが堂々と『宇宙からのメッセージ』なみに公開・通用しているあたりに日本の(広義の)SF映画のレベルなのかと情けなくなる。
もちろん、ジュリーを主役にしたり、千葉真一をはじめとする時代劇・チャンバラ映画界の大物がずらりと並ぶ、作り時代は大作映画なのだ。内容は『妖怪ハンターヒルコ』と大差ないんだなぁ・・・。原作は文学的にも伝奇小説的にもまごうことなき傑作なのだが。
「時代の違う剣豪たちが戦ったら、一番強いのは誰?」という素朴なテーマを先に書いたように仕上げたのが原作なのだが、映画では細川ガラシャだの、若者代表の伊賀霧丸だの、賑やかし要素が加わったことで、余計にC級感が出ている。おまけに霧丸は『七人の侍』のパロディかのように、人間の娘との恋に悩んだりする(´д`)こいつはこの世への執念も、復活後の魔物感もないし、完全にいらんキャラだ。
海辺での十兵衛と武蔵、燃える天守閣での十兵衛と父・但馬との決闘だけは、普通に凄いシーンだったが。