思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

彼らは生きていた

☆☆☆★

映画館に行くつもりだったけど、武漢ウィルス騒ぎで行けなかった作品。
第一次大戦のフィルムをカラー化した、と聞いていたのに、白黒やん?! と思っていたら、10分かそこらして、開戦、となるとカラーになった。
古いフィルムにある、コマ落としでチョコチョコ動くのもないなぁ、と思ったが、どこかで見聞したが、間のコマをデジタル補正して埋めているらしい。カラー化もあって、まさに今の映像/出来事、という臨場感がある。
やっていることはケーブルテレビのナショナル・ジオグラフィックチャンネルのカラーで蘇る第一次大戦と大差ない。違うのは、全編、切れ間なく実際に従軍した人のインタビューが流れていること。そして、ドキュメンタリーなら当然ある彼ら自身の映像が一切ないこと。特にインタビュー音声がぎゅうぎゅうに詰まっている構成はドキュメンタリーとしても異常と言っていい(良し悪しではなく)。
内容そのものは、戦争の非日常と、いわゆる非日常の中の日常。2日勤務に4日休みとか、戦争になったら休みなし、という我々が抱きがちな先入観からすると意外。塹壕が水浸しになる、凍傷などなど。
最後は戦後、復員したら仕事もなく、肩身が狭い、というオチで終わる。でもこれ、戦争不況とか、階級社会などの要素を加味したないと、本人たちの証言だけで、短絡的に戦争が悪いから、とは断定できないよなぁ。
ちなみに、海外ニュースのスタンダードとして、死体の映像もあるが、そこまでグロくはない。青白い顔はショッキングではあるが。それよりも、死体に群がる大量のネズミを駆除した写真のほうがある意味エグかった(^^;)