思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『12モンキーズ
☆☆☆★

原案だか原作だかインスパイアされた、だかとクレジットされていたので、『ラ・ジュテ』のリメイクかと思っていたが、全然違う映画になっていた。
ちょっと前の作品だと思っていたが、もう20年近く前か・・・。完全にアナログで、80年代みたいな映像だった。
とはいえ、さすがはテリー・ギリアム。映像的には凝っていて、早送りさせない映像密度が溢れていた。当然時系列は逆だが、ギレルモ・デルトロみたいなビジュアル。特に、未来でのスチームパンクっぽい作り込みはさすが。
中ではブラッド・ピットの文字通りの精神病患者=キチガイ演技が素晴らしい。
精神科医であるヒロインが、自分を拳銃で脅して拉致したブルース・ウイルスならぬブルース・ウィリスに同情する理由がちょっと納得しかねる。中盤で、自分を置いて車を出た時に、そのまま走り去って警察に駆け込むのが普通でしょ?
2時間以上もかけるほどの内容とは思えないので、ネタ的にも、コンパクトにまとめたほうが、ラストのキレも含めて、数倍良かったんじゃないかなぁ。

以下、ネタバレ

未来から、過去の危機を止めるためやって来た、いや、来させられたのがブルース・ウィリス。タイムトラベルものであり、まんま『ターミネーター』(^_^;)
ただし、人類世界を破滅させたウイルスを開発した人間を殺すとか、研究をやめさせるのではなく、持ち帰って研究するという、みょうに人道的な目的なのが変わっている。何か勘違いした二匹目の土壌映画にありがちな「本質を分かってない人がパクった映画」の予感が(^_^;)
この手の映画によくある、どこかで見た映像が、いつどこで実際に起きるのか、が「ヒキ」なのだが、本作はちょっとひねったオチ。
ちょっと某映画を思わせる、現在子供だった主人公が、未来からタイムスリップしてきた大人の自分が死ぬ場面を目撃していたのでした、というものだ。

1995年 アメリ