思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『愛国戦隊大日本』
☆☆☆★

知る人ぞ知る、ガイナックスのゼネプロ時代、すなわちアマチュアとプロの中間段階の8ミリ自主映画。
要するに戦隊モノのパロディで、主題歌からして『サンバルカン』の替え歌。中身も完全に戦隊モノのそれ。設定としては右翼的史観のパロディで、コミンテルン的な、日本の赤化に対して、愛国戦隊が闘う、というもの。いや、これ、右派からしたら真面目に日本の戦後そのものを描いていて秀逸なんだけど、シリーズものの1話ならいいけど、全話これだとネタがないんじゃないの? とか無用な心配をしてしまう(^_^;)
8ミリゆえに映像がめちゃ荒くて傷も多い、ということを除けば、下手な現在の戦隊モノにも増して面白いのが意外。演技もセリフもド素人なのに・・・。確かに、セリフは庵野版『帰ってきたウルトラマン』より遥かに上達しているし、アクションも、体が動く人がやっている、ということも大きい。
それ以上に、構図と、編集が最高! 全く画面や演技の稚拙さを感じる間もなくカットが変わって行く、快感原則を追求した編集テンポが素晴らしい。監督は赤井孝美だが、ちょっと『シン・ゴジラ』にも通じるガイナックスの遺伝子を感じる。