思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『宮本から君へ』
☆☆☆★

原作がマンガで、ドラマ版があっての、この劇場版らしいが、どれも未見。
それでも一応の設定や筋書きは分かるが、主人公宮本と靖子の馴れ初めだけは、この映画だけではよく分からない部分だ。
ストーリーは、バカだけど愚直で真っ直ぐな宮本が、頑張る、レイプ・リベンジもの。
「おまけの夜」の感想とか参照しても、やりたいことは分かるが、個人的にははまらなかった。
要するに、ビートたけし映画と一緒なんじゃない?(20年前くらいに見たやつの記憶しかないけど)特にピエール瀧周りの超体育会系のノリは、完全にヤクザ映画。宮本の「敵」であるピエール瀧の息子(見た目的には佐藤二郎の息子って感じだけど)なんて、普段は官僚(志望?)かつ年下ということで丁寧な口調であるあたりも、インテリヤクザっぽい。

これまた個人的に、蒼井優って、どこにでもいる(容姿の)女の子で、その辺がある意味リアルさに貢献しているのは間違いない。本作はざっくり言って、過去と現在の2つの時間軸がそれぞれ巡行しているのだが、最初、宮本が昔付き合っていたのが髪の長い女の子で、現在結婚することになっているのが髪の短い別の女の子だと思ったくらい、地味で特徴がない(としか見えない)のだ(^_^;)
過去と現在の2つの時間軸を描くために蒼井優に髪を切ってもらった(目を凝らしていたがヅラには見えなかったので)のだろうが、普通に一本軸で良かったんじゃないかなぁ。二人が上手くいくかどうか、というのも視聴者に重要な引っ張り要素だと思うのに。

本作では、中盤にレイプがあって以降は、どつき漫才というか口喧嘩漫才みたいな展開(ジャガモンド斎藤:評)になるのだが、観ている最中は思わなかったが、ちょっと島本式かも(^_^;)
何より、本作では宮本がなぜレイプ被害を他人に言わないのかを除いて、人物の感情を全部登場人物たちが喋ってくれるので、実に分かりやすい。というか、ちょっと引くレベル。本作はR15になっているけど、エロ・グロ・バイオレンス描写を除くと、ストーリー自体は純粋な正義の主人公が悪者をやっつけて終わり、という子供向け映画と変わらない。

クライマックスの非常階段のケンカシーンだけは以前に見ていたが、やはりここは必見。ただ、息子の方が宮本を本気で殺すつもりだったのかよく分からないのが気になった。まあ、やはり調子こいていたから、油断して逆転された、というのもこれまたバトルものの定番展開ではある。

エンドロールは、本編で写ったシーンの前後にあったであろうスチールという感じで、実に良いのだが、本来は漫画の元ネタであるはずのエレファントカシマシ宮本の歌自体が受け付けなかった(^_^;)

基本的には体育会系、リア充系に向けた映画じゃないかなぁ・・・。