思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

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☆☆☆★

パソコン画面だけで2時間の映画を作った、といあことで、興味津々。
設定だけ聞いた時は、文字だけの映像だろうから、間がもたないだろうし、てっきり10分くらいの短編だと思っていた。
もちろん、文字もあるが、ビデオ通話と、テレビニュースをパソコン画面で観る、という(反則)技を駆使することで、主人公の一人称だけではない視点を入れているのがうまい。全体の構成としても、失踪した娘の乗っていた車が池から発見される中盤以降にはニュースや監視カメラなどが多用され、自然と世界が広がる、2幕構成になっているなど、周到に計算されている。
演出として、誰もが「その手があったか?!」と唸らされるのが、何回も出てくる、ライン的なメッセージを送る、送信前に、打ち込んだ内容を消去するシーン。映画では普通表現しづらい、主人公の迷いを、小説以上にうまく表している。
ミステリーとしても、冒頭の妻の病死から娘の失踪とその理由、犯人探しに至るまで頃合いを見てツイストが入るので、最初から最後まで飽きさせない。