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『GODZILLA　星を食うもの』
☆☆☆★

なんとも微妙。このシリーズ、小説（『プロジェクト・メカゴジラ』まで）の方を映画化して、こちらを小説にした方が良かったんじゃないの？（映画の小説版として出ているのは別にして）。エクシフとビルサルドも、特撮なら人間そっくりでもいいが、せっかくCGなんだから、異形で、タコ型とかでも良かった。
ギドラが宇宙船を襲うシーンはSFっぽさ全開でゾクゾクしたが、あとはゴジラが現在どういう状況だとか、説明ゼリフが多すぎてなんかうんざりしてきた。
特にこの３部で顕著だが、主人公が部隊長っぽくないんんだよなぁ・・・。クワトロ大尉どころか、シロー・アマダ（小隊長）レベル。視点が完全に個人レベルでしかない。
全体としては、ゴジラシリーズのお約束を踏まえた上で再構成して本格SFっぽくしたが、良くも悪くもアニメオタク寄りにしかならなかった、という感じか。スターウォーズで言えばEP９、ガンダムで言えば『ターンエー』（富野監督だから作品としての完成度はそこまでひどくないが）、『MS戦記』『サンダーボルト』みたいな？

以下、ネタバレ

終盤以降からクライマックスまで、延々と精神論が語られるのも厳しい。物語的には完全に流れが止まっている／停滞しているからね。もうちょっとコンパクトにして欲しかったところだ。モスラがそのイメージ中でしか登場しないのも捻くれている。
デザイン的にも、ギドラもゴジラもイマイチ。ゴジラも、馬面なのが格好悪い。ジャイガンテスっぽい感じ。
主人公の彼女が生き返らなかったのが良かったし、これ、バッドエンドすれすれ。いちおう、マクロレベルでは人類はDNAが半分だけ残る、というのでSF的にはグッドエンドとも言えるかも。
ハルオが最後に特攻したのは、２部かどこかであった、ハルオがナノメタルで再構成されたっぽい映像があったので、自分自身もいつか暴走する可能性があるので、ナノメタル関連の３つをまとめて処分する意図があったから？
というか、そもそも、昆虫人間と現行人間が交配可能、というのは都合良すぎだと思うけどね。
また、根本的な問題として、このエンディングなら、宇宙船で脱出する意味が全くなかったでしょ？(´д`)脱出するくだりを丸々カットして、最後の人類との対決、として市街戦で描いても完全に成立する話でしょ？　まあ、モスラ人間のくだりは何万年も経っていないと厳しいかもしれないが、海底王国とかで切り抜ければ(^_^;)
結局ゴジラは無傷で残っているので、ゴジラと共存する、というオチ？　文明を進歩させず、縄文時代的な暮らしで地球環境と共存して行け？　というエコテロリスト的な結論なの？(´д`) そこはちょっと同意できないというか、逃げた？　というか・・・。

エクシフは「Ｘif」で、ビルサルドはブラックホール第三惑星人の正体が猿であったことから「ビル猿ド」から？　エクシフが人類を裏切るのは『三大怪獣』『ファイナルウォーズ』からのX星人のお約束。ちゃんと伝統を守っているのだ。