思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

フォーガットン
☆☆☆☆☆


よく悪くもヘンな映画だ。
まず、ジャンルが何か分からない。これは良い意味。
最初は、子供をなくした母親が立ち直る話かと思いきや、子供の写真やビデオが消えて行くが、周囲の人間が認識していない、というヘンな状況。
そして、不気味な男の存在と、国家保障局の介入での逃亡劇。
『シグナル』みたいな映画かな・・・と思ったが・・・、以下ネタバレに続く。
個人的に気になったのが、主役ジュリアン・ムーア。これ、白人か見たら美人になるの? レイア姫以上に不細工に見えるんだけど。
また、テーマ的にも、子供を無くして悲嘆に暮れる母親を演じるにふさわしい、観客に同情を抱かせやすい顔とも思えないし。何よりも、驚愕と絶望の表情を浮かべているであろうシーンで、笑っているように見えたりした(具体的にはネタバレ部分で)。
特に事前知識なしで観たら、中盤からのツイストはなかなか面白いのだが、ラストは中途半端な感じ。全部を主人公が解決するのはさすがにセカイ系的なご都合主義なので、絶望のどん底に叩き込むか、死んでしまう、というのでも良かったのでは?
俯瞰映像が120%効果的に使われていたのは特筆もの。

以下、ネタバレ。

本作の最大の謎は、誘拐したのが宇宙人の仕業、ということ。最初の悲劇からの立ち直りもの、国家陰謀ものかと思わせて、宇宙人という2つのツイストがある。
問題は、宇宙人となるとなんでもありなので、ビジュアル的にオリジナリティあるモンスターの造形でもないと間がもたない。本作では、屋根が飛んだり、人間が空の彼方に1秒くらいで飛んでいく面白い(恐怖というより、笑えるのだ(^_^;))ビジュアルこそあるが、やはり弱い。
ラストも、謎の男が宇宙人の一部、というより、中間管理職に過ぎず、任務失敗で(文字通り)飛ばされる、というオチ。ちゃんと仕事する会社(宇宙人)なら、仕事ができない人を飛ばすにしても、次の担当者をすぐさま送り込むでしょ?
それで全て解決、というのは戦隊もの並のご都合主義なのが大いに不満だった。