思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『最後の脱出』

☆☆☆★

町山推薦。60年代のハリウッド映画だ。
公害の影響で、植物が枯れて行く謎の病気が蔓延し、秩序が崩壊して行く、ディストピアSF。確かに、1作めの『マッドマックス』とゾンビ映画を、合わせた感じ。導入や、ちょくちょく挿入される公害の、いわゆるライブラリー的な映像は、『ゴジラ対ヘドラ』みたい。
ちょくちょく挿入といえば、先の展開をフラッシュフォワード的に見せるのだが、べつに主人公に予知能力があるわけでも、最後に衝撃的なオチがあるわけでもない。単なる監督の趣味、あるいは演出の失敗?(なのに、町山さんは一言も触れていない(´Д`))
展開としては、『サバイバル・ファミリー』と同じ、家族が親類の家に向かう話だ。
町山さんは、倫理的にどうこう、と、しきりに言っていたが、SFとしては厳しい現実に、現実的に対処・適応する、という意味では、SF小説を、読むように楽しめた。何より編集のテンポかまうまいので、ぐいぐい引っ張られた。ただ、ラスト前の暴走族との戦いてま、急にダラダラ長かったのが残念。この後すぐ終わりならともかく、兄の家に着いたらまた一悶着あるのだ(´Д`)
復活の日』みたいなディストピアものとして、一定程度の面白さがあった。