思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『魔改造への招待』裸族
☆☆☆☆

模型製作ハウツー本としては破綻しているはちっちゃけた文章に好き嫌いが分かれそうだが、私は好きだ。
何より、モデラーがどういう思考過程を辿ってフィギュアを作り上げているのか、そのぶっちゃけた本音がじっくり分かる。
模型雑誌では紙幅の都合で書けないところ、単行本であっても、プライドや何やで書かなれない心情が伺えるのは、へっぽこ低級モデラーの私にはめちゃくちゃためになる(^^;) もしかしたら、雑誌ライターのような上級モデラーは、そんな雑念はないのかもしれないけど(・ω・)
へっぽこモデラーとしては、造形の試行錯誤を赤裸々に書いていること。他のモデラーも書いているのを読んだことがあるかま、プロモデラーでも失敗する、ということが分かり。人間味を感じる。
アマゾンレビューにもあったように、確かにP VCや、他の素材である商品を、複製してレジンキャストに替えてからいじるのはハードルが高いが、それは大した問題ではない。本作は、妄想全開モデラーが、どのようにそれを具現化するか、というフィギュア製作ハウツー本である。
いちおう、動機が、既存の商品フィギュアを裸にする、というしばりはあるが、ベースは、美少女フィギュアを作ろう、ものだ。
性器こそさらっと流されているが、乳首の造形から塗り方まで、自画自賛されている通り、実に詳細に解説されている。このへん、実は世の中の全ての美術彫刻書を含めても稀有かも(^^;)
巻末の2種の対談がまた良くて、1つめは美少女フィギュアオタク的観点から、2つめはガレージキット業界として、実は意外と深い内容。『ガンダム・センチネル アリスの懺悔』巻末対談と同じ……というと言い過ぎだが(^^;)