思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『沖縄決戦』

『沖縄決戦』☆☆☆★

岡本喜八監督らしく、『日本のいちばん長い日』のように、沖縄の陸軍本部、各前線、県民、大本営などが切り替わりながら進む。
簡単に言えば、作戦を立てる、米軍の攻撃、軍民双方の屍の山、これの繰り返しである。史実として消耗戦、敗戦を描くのだから、これ以外の構成はないだろう。
本作の特徴は、過剰に叙情的な演出もないが、子供の手(だけ)を持ってさ迷う母親、気が狂った老婆など、戦争(戦闘)の現実を描いていること。反戦映画だと思われがちだが、思想性はそこまで全面に出ていない。まあ、米軍の捕虜に対する扱いの非道さ故に投降しないという重要事は描かれていないわけだが……。
ミリオタ的には、戦車(チャーフィー?)が出てくるシーンは、富士の演習場で撮られていたり、大和を始め、戦艦の大型モデルなどが見所。