思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ぽんこぽこ書房 小説玉石編集部』川崎昌平
☆☆☆★
光文社

雑誌『小説宝石』をモデルにしたとおぼしき、某小説雑誌を舞台にした編集者たちの物語。
編集王』や、『作家刑事毒島』、折原一ほかの小説家をテーマにした小説を読んでいれば、基本的なところはよく分かる。
本作は色々な点でヘンなマンガである。まず、シンプルな絵柄ゆえに見易いが、絵が下手くそだ。東京芸大というのが何かの間違いじゃないかと、というレベル。専攻を見る限り、デッサンの不要な学科なのかもしれないが……。表情もよくわからんし、口がどうなっているのか、ポーズのデッサンもさっぱり。
また、注釈が異常に多い。余白の多いコマの隅に、平均すると1ページにつき2つくらいある。おまけに各章10ページなのに、解説が2ページもあるのだ。何故こんな構成なのかと奥付けを見ると、『小説宝石』に連載されていたということなので、納得はできる。
とりあえず、千円にしては異常に情報量が多い本なので、先に挙げたような本を読んでいなければなかなか面白いと思う。