『盤上に死を描く』井上ねこ
☆☆☆★
宝島文庫
竹本健治に『将棋殺人事件』というミステリーかあるが、本作は『詰将棋殺人事件』というに相応しい作品。
デビュー作ということと、ふざげたペンネームから、若手かと思いきや、作者は65歳。
ミステリーとしては、構成に難あり。同じトリックなら、もっと面白く(意外性のある)プロットが組めると思うのだが……。
以下、ネタバレ
最も残念なのが、ミステリとしては肝となる終盤のどんでん返し。例えば七尾氏の作品にも似たものがあるが、あのように、畳み掛けるように、短い紙幅に詰め込むべきでは?