思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『空母いぶき(11)』
☆☆☆☆
潜水艦が表紙、ということもあってか、まんま『沈黙の艦隊』という雰囲気の内容だと感じる。面白さも同様。
違うところといえば、命令を下すのが潜水艦の艦長ではなく、艦隊司令、というところ。
自分の知識が増えたからなのか、『沈黙の艦隊』であらゆる潜水艦戦のバリエーションが描かれたからか、今回の戦闘の戦術もだいたい先が読めてしまう、あるいは驚きがない、というのは前作の愛読者ゆえの不満点かも。


『新感染 ファイナル・エクスプレス』
☆☆☆
個人的に韓国人がどうなろうと感情移入できない、というのは置いておくと……。
序盤からいきなりゾンビ化が始まって、数分に一度はゾンビの襲撃が描かれ、ひたすら逃げる主人公たち、というジェットコースター・ムービー。なぜゾンビが生まれたのか、外部はどうなっているのか、という説明は一切なし、という潔さ。これは正解。だって、説明があっても、納得できない人はできないし、こんなの見る人は、ゾンビ(映画)がどんなものか、という背景は百も承知だろうから。
ただし、映画演出的なご都合主義とは言え、噛まれてからゾンビになるまでの時間差が、溜めが必要なキャラ、場面だけ長く、雑魚キャラならすぐ発症する、というのは気になった。
スピーディーなゾンビ、軍隊が感染が疑われる民間人を射殺する、という諸々の設定など、本作は、要するに『28週後……』の韓国版なのだ。ゾンビ映画と乗り物パニックを合わせたら……というジャンルミックスの典型。
本家を上回っている点を唯一挙げるとするなら、『アイアムアヒーロー』でも手腕を発揮したゾンビの造形くらいだろうか。
普通に面白かったのは、意外と犠牲者が多いところ。そして、ゾンビの特徴(ゲーム的な設定)として、「視界を遮られる、暗くなると襲わない」という弱点が設けられているのも面白い(理由はともかく)。
ちなみに、ふざけた邦題は、当然原題とはかけ離れている。『Train to Busan』で、『釜山行き超特急』というのが妥当。



『18倫』
☆☆★
てっきり低予算お色気映画かと思いきや、マンガ原作のお手軽映画だった。お嬢様が一家離散して、AV制作会社で働くことになる、という安直なお話。
お仕事マンガとして、業界あるあるを除けば、演技や画面的な見所は特にない。擬似ザーメンの作り方とかは興味深かった(?)。