思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『グランド・マスター』
☆☆☆★
ウォン・カーウァイ監督らしく、芸術的なカンフー映画。『グリーン・ディスティニー』や『英雄』もそうだったが、あちらは色彩設計やロングシーン重視の美術的な映画だったとするなら、本作はアップや1カットずつの撮影方法まで徹底演出した芸術的な映画。
特に序盤の雨のカンフーアクションシーンは『マトリックス・レボリューションズ』ではこれをやりたかったんじゃないか、という完成形。
主演はトニー・レオンチャン・ツィイー、そして『パシフィック・リム アップライジング』で司令官をやったあの男。しかし、アクション俳優でもない2枚目俳優がここまでアクションができる、というのが凄いよなぁ…。逆にチャン・ツィイーには、ミシェル・ヨーばりに貫禄が出てきた(意地悪く言えば肌が荒れてきただけ、とも言えなくも無いが(^_^;))。
イップ・マンの解釈は『葉問』ともちょっと違う解釈で、ウォン・カーファイの主演男優がアクションもする、というテイスト。
ヨーロッパなんかでは受けそうな感じで、欠点は見当たらないんだけど、カンフー映画的に、アクションシーンを何回も見返したいか、と言われるとそこまででも無いのでこんな評価に。