『スクリプトドクターの脚本術 初級編』三宅隆太
☆☆☆★
前半は脚本の書き方。後半はスクリプトドクターについてのバリバリ大まじめな教科書。
前半は、ハウツー以前の精神的な心構えを重視しているのが特徴。シナリオセラピーとあるように、カウンセラー的な側面が多いのが面白い。
「二時間サスペンスは厳密に言うと「サスペンス」ではなく「謎解き(ミステリー)」のジャンルです。
したがってこの「情報整理のシーン」の目的は、クライマックスの「謎解き場面」に向けて、視聴者に「いま一度、これらの情報を頭にたたき込んでから後半部を見てくださいね!」という目配せをすることにあります。
一方、「反転攻勢のシーン」の本質的な狙いは「ここから先は、前半部のひっぱりとして重視していたミステリー要素はもはやどうでも良いものです。理性的に見るのはやめて感情的にハラハラしてください」というメッセージを送るためのものです」