思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『人魚姫』
☆☆☆★

少林サッカー』や『カンフー・ハッスル』みたいな、いつものチャウ・シンチー映画。アクションあり、笑いあり、下ネタあり、涙ありの、典型的な香港映画とも言える。
ファンタジーあるいは童話、昔話の典型ともいえる『人魚姫』を、現代を舞台にして作ったらこうなる、という内容。
人魚族の描写は、『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』(をチープにしたような)を連想させる。人魚族にも、美少女だけでなく、普通に男もおばさんも、婆さんまでいる、というリアリズムが香港映画的(お笑いセンス)。
お笑いアクションは、子供向けで、大人が真面目に見るにはバカバカしい。『少林サッカー』は笑えたのになあ……。
ラストに大企業が人魚族を虐殺するシーンは、単にグロがやりたいだけだろうが、ライブフィルム(ドキュメントまたはニュース映像)でのイルカの虐殺シーンをオープニングに入れておくことで、エクスキューズとしているあたりは巧みなところ。しかし、チベットウイグルでやっているであろう事を鑑みると、よく中共が公開を許可したよなあ……。
美少女を徹底的にボロボロにさせるあたりも香港映画スタイル。
最後に人間側の主人公があれで生きてたのはなんだかなあ……。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2017-07-05


ののちゃん全集(11)』
☆☆☆☆★

大盛り・特濃である。どのページも面白い。ものによっては、見開きで2つ3つ傑作があったり。本当は『ドーナツブックス』くらいのボリュームで充分なのに、その10倍くらいの分量があるのだ。3000円でもいいくらいのお買い得。
吉川ロカに続く、いしい4コマを越えた「ひなちゃん」の登場、不条理メタ的ネタ(『燃えよペン』みたい)7076、ある意味では谷岡ヤスジ的ドアップに通じる描き込みの6813は特筆もの。
書く方が写経なら、単行本を読むほうは読経か八十八箇所巡りか……(^_^;)

ののちゃん 11 (GHIBLI COMICS SPECIAL)ののちゃん 11 (GHIBLI COMICS SPECIAL)
いしい ひさいち

徳間書店 2018-07-27