思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』倉知淳
☆☆☆★

変格というか、探偵小説というか、要するに本格度の低いミステリー短編集(猫丸は除く)。

『変奏曲・ABCの殺人』☆☆☆
倒叙ものみたいではあるが、オチは単なるブラックユーモア。

『社内偏愛』☆☆★
人工知能コンピュータが人事を全て管理する社会を描いたSF。『敢えて出社せず』を思い出すサラリーマン小説。筒井康隆的。

『薬味と甘味の殺人現場』☆☆☆★
サイコミステリーかと思わせておいて、やっぱりサイコの仕業だった、という変格もの。ただし、この路線なら、私なら〇〇でもいいから会うため、とするなあ……。

『夜を見る猫』☆☆
ホラーミステリーと言えるが、ネタ的には、いわゆる四ページミステリーでいいくらいのものを引っ張りまくっているので、冗長。

『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』☆☆
いちいち大東亜戦争当時を舞台にして、登場人物や当時の歴史的説明がやたら多いが、本質はバカミス。というか、ワープの意味を作者は理解しているのか?と疑いたくなる。

『猫丸先輩の出張』☆☆★
これのみ本格ミステリなのはいいが、〇〇と見せかけて〇〇というのは、もっともがっかりするパターンなのよね……(´д`)

豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件
倉知 淳

実業之日本社 2018-03-28