思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

模倣犯(4)』
☆☆☆★

宮部みゆき風に言うなら、『彼女はミステリーが書きたいんじゃない、殺人事件に巻き込まれた全ての人々を描きたいだけなんだ』というところか。
2巻をまるごと抜けばフーダニット、ホワイダニットとして普通のミステリーになるのに、敢えてそれを序盤(といっても作品全体としての話で、普通に言えば文庫2冊めにして、である)に晒しているのだ。
これがミスリードで、さらにどんでん返しがあるのなら凄いが、上述の理由から、あんまり期待できないなぁ……。
3巻以降には、ピースが真犯人という技術が一切ないのが伏線なのかもしれないが……。2巻が作中作(滋子かピースのノンフィクション)というオチは、それほど格好良いものではないしねぇ……。

模倣犯〈4〉 (新潮文庫)模倣犯〈4〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき

新潮社 2005-12-22