思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

模倣犯(3)』
☆☆☆★

これはミステリーとか推理小説というより、犯罪小説、さらに言えば犯罪者の心理を描いた純文学だな……。
ミステリー的には、少なくともこの巻では、前の2巻以上の出来事や新事実は何一つ開陳されないのだ。
長すぎるので無理だが、折原一『』みたいに後ろから読むか、「表」「裏」みたいに分冊単行本にするか、本編進行に対する寄与しなさを考えると、番外編かスピンオフとしてやるべき内容。それを強引に本編に組み込んでるんだもんなぁ……。私が編集者なら、ミステリーとしては、この一冊ぶん丸々ボツにする。純文学的に別冊で出すのはアリなのだが。

模倣犯3 (新潮文庫)模倣犯3 (新潮文庫)
宮部 みゆき

新潮社 2005-11-26