思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ヘイトフル・エイト』
☆☆☆☆

短編ミステリーのお手本みたいな作品。
その割には約3時間は長すぎ・・・。
黒澤映画『藪の中』のように、登場人物が語っていることが本当か嘘か、簡単には信じられない、ということが本作の醍醐味。
そしてもう一つが、容赦なく人を傷つけること。単なるスプラッタ趣味だけでなく、現実の(色々な意味での)人殺しとはこういうものだ、というのを突きつけてくる。
とある店の中で、誰もが嘘をついている、というあたりは『テキサスの5人の仲間』を連想した。

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ギャガ 2018-03-02


『MONSTERZ モンスターズ』
☆☆☆
主人公・藤原竜也の内面というか、差別されてきたであろう過去が全く描かれていないために、単なる殺人鬼にしか見えないのが致命的。もう一つ、彼が片足義足なのだが、これも含めて、原作がその辺りを描いているのを省略したのか?本作を見ている限り、全く隠れて生きてきたように見えない。単に見えないところ(記憶を消したからいいものの、社会の真ん中)で悪事を重ねているではないか。
超能力を発揮するところは目が青くなるのだが、最初は、自分の目を見られないとそれが効かないのかと思ったら、後ろを向いている人に対しても効果がある。どうも自分が見た範囲内に効果があるらしい。
ちょっとそれは万能すぎると思うのだが、それは本作の設定なので肯定するとしよう。
やはりモンスターが二人いる、というのがタイトルの意味でもあるんだから、山田孝之サイドにも、単なる異常に生命力が強い(ほとんど不死身)だからこそ、悩みがあった、という事情を描くなり、またはこちらもその体質を生かして悪事を重ねてきた、つまりは闇の超能力者同士が相まみえた、ということなら面白くなったと思うのだが。
ラストの劇場で、操られた観客が次々と二階から落下するシーンは興味深く、本作最大の収穫かも(^_^;)
山田孝之のほか、超能力で操られて停止する人物たちは、合成ではなく、単純に動かないだけ。山田孝之だけが動いていたり、また全員が彼に向かってくるところなど、舞台劇的な演出と言える。

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バップ 2014-11-05


『ドニエプル攻防決戦1941』
☆☆★
ベラルーシ映画。独ソ戦を描いたものだが、とても今世紀の映画とは思えない。単に輸入されたのが近年なだけで、70〜80年代に作られたんじゃないの?と思わざるを得ない。
3号戦車もT-35をベースに改造したんじゃないの?という感じで、車体が平べったくて、砲塔が前寄りにつきすぎ。エンジングリルにもディテールがない。

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ラインコミュニケーションズ 2013-12-15