追記版『プライベート・フィクション』
☆☆★
短編集。広義のミステリーというより、広義のホラーまたは幻想小説か。
どの作品も、幼少時の記憶と改竄、嘘と友情と見栄がテーマの変奏曲であるあたりは、ある種の純文学的な作品とも言えるかも。柳美里とか。
『1999年の同窓会』☆☆☆
オレオレ詐欺がテーマであることは中盤で出てくるので、ネタバレにはならないかな?上に挙げた本作のテーマが詰まった一作。十分ミステリーと言える。
『いつまでも、仲良く』☆☆★
ループする女の嫉妬を描いた作品で、下らない日常会話を除く骨格そのものは、山田風太郎のミステリーにも似ている。
『小田原市ランタン町の惨劇』☆☆☆★
疎遠になった彼女の裁判の証言人になってほしい、という展開が意外でよろしい。そこから、彼女の嬰児殺しのエピソードが細部に渡って書き込まれているのが興味深い(リアルとも言えるかも)。本格ミステリとしては胎児の月齢を書かないとか、いろいろアンフェアだと思うが、そのへんの問題点を帳消しにする、ホラーとしての面白さがある。変格ミステリーとしてのオチもついているしね。
『自由研究ーープライベート・フィクション』☆☆★
冒頭の作品にリンクする、駆け出し作家の一人称。……というより、発表雑誌が異なるので、単に似たような話しか書いていないのかもしれない。どこまでが地の文で、どれが作中作か分からないが、それはミステリー的にはほとんど意味がない。奥泉光的な幻想小説というべきであろう。
『夢見ヶ崎ーープライベート・フィクション2』☆☆
タイトルからも明らかなように、同興委曲の作品。これまた掲載誌は別。
『プライベート・フィクション』
☆☆★
短編集。広義のミステリーというより、広義のホラーまたは幻想小説か。
どの作品も、幼少時の記憶と改竄、嘘と友情と見栄がテーマの変奏曲であるあたりは、ある種の純文学的な作品とも言えるかも。柳美里とか。
『1999年の同窓会』☆☆☆
オレオレ詐欺がテーマであることは中盤で出てくるので、ネタバレにはならないかな?
『いつまでも、仲良く』☆☆★
ループする女の嫉妬を描いた作品で、下らない日常会話を除く骨格そのものは、山田風太郎のミステリーにも似ている。
『小田原市ランタン町の惨劇』☆☆☆★
『自由研究ーープライベート・フィクション』☆☆★
『夢見ヶ崎ーープライベート・フィクション2』☆☆