思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『バビロン(2)死』
☆☆☆☆
自殺合法化をめぐった政局・選挙という展開はまんま『沈黙の艦隊』テレビ討論なんて台詞の調子から、章の区切り方までモロにそのままである。
それに加えて、曲世愛との対決は、『デスノート』のような雰囲気。さぞかしマンガ化が似合う小説だ。
ラストはなかなか衝撃的だった。


『洋画タイトル珍百科』
☆☆★
1ページに1作品くらい(厳密に区切られていない為)の配分で、洋画の邦題と原題について紹介した本。各映画ごとに、クイズとキャスト、粗筋そして著者の感想や視聴時のエピソードが書かれている。
何せ数が多いので、色々なパターンがあることは分かるが、何故そうなったかという配給元の思惑はほとんどない。英語の勉強にはなるものの、業界裏話的には興味は満たさされない。あの映画の原題は○○って知ってた?というトリビア的な蘊蓄にはなるのだが……。
また、文体は辻真先氏のエッセイみたいな感じなのだが、いかんせんこなれておらず、同人誌か、隠居老人の自費出版のようだ。

刑事コロンボ 死者のメッセージ』
☆☆☆☆
小学生の時にテレビで見た記憶が割りと残っていた。良くできた本格ミステリだ。
中でも、後で見つかった鍵を庭に落とした場所の写真が、現場検証の時点で撮られていた、という展開はうまい。
余談だが、現在なら「ダイイング・メッセージ」と直訳される言葉がタイトルを初め、3つの異なった訳語が当てられているのも興味深かった。
ラスト、本命のダイイング・メッセージの解読は、テレビらしくビジュアル重視の、文字通りパズル的に解読していく趣向なのが興味深い(知的に面白いかというとそうでもないのだが)。