思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

刑事コロンボ 魔術師の~』
☆☆☆★

一流マジシャンとの対決。職業柄、ミスディレクションとトリックには精通している犯人。手がかりと、その証拠を一つ一つ突き止めて行くコロンボ。正に本格ミステリの王道的な展開で、文句のつけようがない。
中でもコロンボがマジシャンの舞台によくある客席からの手伝いとして上がり、本物の手錠を開けられるか挑発するところはニクい。もちろん、それが犯人が鍵のかかった部屋に入れる手がかりになるのだが。


夜は短し歩けよ乙女
☆☆★
こんなサバサバしたキャラデザインのアニメが、よく劇場公開されてるよなぁ……(^_^;)これは多様性という意味では良いことだが。
全編ナンセンスギャグで、これが『クレヨンしんちゃん』ならいいのだが、一般人として短編でもなく長編でやられると疲れる。実際に監督は作画として『クレしん』に参加しているのだが。
序盤は楽しく見ていたのだが、学園祭で生徒会長が女装して出てきたあたりで観るのを止めてしまった。実際、60分くらいでまとめたほうがいいんじゃないかなぁ……。


『台風についてわかっていることいないこと』筆保弘徳編著
☆☆☆★
ベレ出版

民間から気象庁まで、色々な台風研究者が、自身の研究について一般読者向けに書いたもの。
序章に5ページほど、台風についての基礎知識がある他は、それぞれの専門分野なので、いわゆる「図解雑学」や「ブルーバックス」的なものを期待すると、ややわかりずらいかも。それでも、日本人なら気にせずにはいられない台風について、どんな研究が行われているかは、知識好き、本好きなら興味のない人はいないだろう。
「温暖化気候の対流圏では現在気候のときと比べて(略)大気が安定して(略)対流が起こりにくくなる(略)これが台風の減少傾向を説明する有力な説」
興味深いのが、地球シミュレータで温暖化後の台風発生を調べると、弱い台風は減るが、最大クラスの台風は増えるのだ。
台風に発生から成長、減衰のメカニズムも分かるようになっているので、本書だけでも一通りの台風通(?)になれる。