思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『皇帝のいない8月』
☆☆☆★

てっきり終戦時の話かと思っていたら、80年代当時の現代劇だった。
三島事件後の、クーデター。博多発の寝台特急に爆弾を仕掛けた上でジャックして、東京へ向かう。
他の部隊はあっさり鎮圧されたり、あっけない。
首謀者の妻が同じ列車に乗っていて、下らない人情ドラマがあったりと、悪い意味でいかにも日本映画的。
首謀者の主張は、三島のそれをなぞっているだけ。まあ、だいたいは良いだろう。ただし、列車ジャックで一般人を手荒く扱ったり、やっていることは左翼テロリストそのもの。映画屋だから、自分たちが(やってきた)身近な学生運動とかそのへんを転用したんだろうか。
結局失敗するわけで、だから何?という感じ。
全体の見た目も『新幹線大爆破』みたいだで、なおかつできはあちらより劣るし。
しかし、いっぺんフィクションで、クーデターが成功する映画って観てみたいけどなぁ……。