思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

グエムル 漢江の怪物』☆☆☆★

韓国の怪獣映画だと聞いて(思って)いたのだが、完全にモンスター映画だった。
個人的に、みなもと太郎のマンガ『風雲児たち』内のギャグ「たいくつ(鯛が靴を履いている絵)」を連想した怪物。クトゥルフも入っているかな。ちょっと前ながら、水中&水辺なので体表が濡れていることもあり、CGっぽさはあまり気にならない。少なくとも、魚ベースの怪物は世界的に珍しいので、特撮ファンは一見の価値あり(ピラニアはまんまだし、タコ、イカはよくあるのだが)。
細部を突っ込むことも可能だが、まあ置いておこう。
本作で面白いのは、主人公が知恵遅れが精神疾患(よく言えばどこか「抜けている」)ということ。なんで特撮というジャンルムービーで、こんな微妙な設定にするかなぁ……。
脚本的には、登場人物が多すぎ。はっきりいってアーチェリー選手を主人公の妹ではなく、こちらを主人公に、その娘が拐われる、ということでいいじゃないか。男の子も不用。というか、そもそも怪物が子供だけ巣に生かしておく理由がないのが致命的問題。熊とかならともかく、魚にそんな性質はないでしょ?百歩譲って怪物になったからついた性質だとしても、他の大人がすぐ食べられているのだ。

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ハピネット・ピクチャーズ 2012-03-10


『乗らずに死ねるか!』黒田一樹
☆☆☆★
創元社
意外と文字密度が高く、読むのに時間がかかった。経営コンサルタントということで、全国を飛び回って乗った各地の名車を紹介。よくある鉄道ジャーナリストが書く本と、少し外したピックアップが面白い。例えば関西では、山陽や神鉄まで取り上げられているのに、JRと阪神がスルーされていたり。
ジャンル的にも、乗りテツは言うまでもなく、台車、音、線路など、幅広い。
なお、カバーの端が、改札切符よろしく凸型に切り取られているのが楽しいが、どうせなら、本分ページ、それが無理でも凸型に塗りつぶすとかしても良かったのでは?
「性能面では理想的なオールMでは、製造費用も、保守の手間もかかる。変電所容量も間に合わない」
今まで何冊も鉄道本を読んできたが、変電所について触れたものはなかった。本書のオールラウンドぶりが現れているところ。
「47都道府県のうち唯一、私鉄を含めて電化区間が存在しない徳島県
これまた「へ~」というトリビア

乗らずに死ねるか! :列車を味わいつくす裏マニュアル乗らずに死ねるか! :列車を味わいつくす裏マニュアル
黒田 一樹

創元社 2014-06-20