思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

時宗(4)』
☆☆☆★

神風という名前は一字もない。考えてみれば当たり前で、命懸けで国を守った武士たちが主人公なのだから。この巻では一切登場しない朝廷内ではどうか分からなかっただろうが……(そもそも後世の後付けだと思うし)。
「たとえ嵐がなくとも勝てたはず。それだけの備えと気概が我らにはあった。」
そう、文永の役は厳しい戦いだつたが、弘安の役は、高麗と南宋(蒙古本軍はいなかったのだ)がグダグダだったこともあって、こちらが優勢だったのだ。

時宗とは何者であったのか、(略)この戦さを成すために天が授け、そして天に戻された者であったような気がしてならない。」
ちょっと司馬遼太郎の『竜馬』のパクりっぽい気がするが……。時宗の最期は一切描かれず、元軍撃退後は、章が変わるともう死んでいた、との描かれかたなのだ。