思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『松本州平のヒコーキ模型道楽』
☆☆★

雑誌『スケールアビエーション』連載の「改造しちゃあかんリターンズ」を単行本化したもの。
巻末のローガン氏との対談を読むと分かるが、「改造しちゃあかん」というのは主に編集部による悪ふざけによるもの。本書の作例のように、改造しまくりなのだ。ローガンの作品のほうがよほど改造してない(履帯は除く)。
前半に収録されている第一次大戦中の複葉機の張り線は労作だが……。


時宗(2)』
☆☆☆☆

本巻のラストで、日本の統一を強化し、国防を整えた時頼が死ぬ。まさに『国盗り物語』で斎藤道三が死ぬのと機を一にする構成。

「父上のお言葉ならーー」
「信じてはならぬ。そなたの目で見て、そなたの耳で聞け。そなたは執権となる身だ。たとえ親の言葉であろうと信じるな。執権とはこの国を導く者。人に左右されては乱れの原因となる。そなたを旅に連れ出したのはそれもある。己の目で国を見るがいい」

時頼と時宗の会話。至言。