「こんなミステリが読みたい」という妄想で、「作中作もので、それを読みながら、逐一、作中の読者が作中作に関して突っ込み、展開を推理する」という作品を夢想したことがあるが、それに近いのが本作だ。
犯人当てミステリーで、問題編が終わってからいろいろ推理する、というのはよくあるが、本作では、なんとクイズ番組の早押しクイズのように、問題編の小説を読み上げながら、犯人と後の展開がわかった段階で回答者が推理を発表する、というテレビ番組の形式を模倣しているのだ。
ネタバレなしで書くのは非常に困難なので、少なくとも、どんでん返しの数では空前絶後では?とだけは言っておこう。
ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ) 深水 黎一郎 原書房 2015-06-30 |