思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

水木しげる 貸本・短編名作選 魍魎』水木しげる
☆☆★

感想は中編と言える二作のみ。その他の作品は広義のSF、幻想文学調、ぶっちゃけて言えば日本昔話的なものか、ミステリマニアからすれば子供だまし的なものが多い。

『地獄』☆☆☆★
大真面目に作れば、高橋克彦『龍…』と同じような作品になると思うのだが、設定に突っ込みどころが多すぎて、印象に残るのが鬼が人間たちを痛めつけるシーンのみ、という結果に。それでもこの評価なのでそれなりのに印象深い作品と言えるのだが。
しかしながら、そのシーンとても仏教説話の地獄描写そのままなので、オリジナリティがあるとはとても言えない。

『地底の足音』☆☆☆
日本の僻村を舞台にした怪奇物語でありながら、どことなくクトゥルーっぽいのが、狙いなのかどうか…。蛇男の異様な造型も面白いし、何よりヨーグルトっていうネーミングがショゴスを無理矢理フランス語的に読んだかのようなクトゥルフっぽい響きがするのがニヤリとさせられるところ。