思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

インターステラー』☆☆☆☆
80点プラスマイナス5点、っていう感じ。
減点は主人公が生還したことと劇伴。三時間もあるのに、エンドロールの静かすぎるピアノを除けば、メロディーらしいメロディーのある曲が一つもない。欲求不満から見終わった見終わった直後に『アポロ13』の「all systems アーgo」を聴いたくらいだ。作曲家は誰かと思えば、『ゴジラ ファイナルウォーズ』の戦犯ハンス・ジマーか!?(^_^;)
ストーリーのほうでは、せっかく物語が綺麗に円環的に閉じたんだから、エドモンドは主人公の娘マーフの子供あたりに探しに行かせば良かったのだ。いや、確かにエピローグ的な内容の最中に、エドモンドはほったらかし?とは思ってたけどね。
このあたりは『トップをねらえ!』や『ゼロ・グラビティ』『コンタクト』と『2001年』が脳裏に浮かばずにはいられなかった。特に最後者は、本作はその映画へのオマージュというより、アンサーと言って過言ではない。モノリスの正体は実は進化した未来の人類であり、時空を操って過去の種としての分岐点にメッセージを送った、というプロットなのだが、これは、クラーク的でもキューブリック的てもないが、SF映画としては実に美しい形と言える。特にエピローグで、冒頭、唐突に何の説明もなく断片的に何度も挿入されるインタビュー映像の正体が分かる仕掛けは鮮やか。
映像と言えば、デジタルカメラ時代にフィルム撮影にこだわるノーラン監督(たしか)だが、さすがに本作の画質は『アポロ13』よりも古臭いのが、逆効果な気が…。
ストーリー的には、時空間的に話が大きいこともあって、次々に人が死んでいくのもそれを間接的に表していて良い。どうせなら主人公の息子のほうも殺しても良かったような…。そうでなければ、自分の畑に火をつけた妹を殺さなかった(それが乱暴なら殴らなかった)のが不自然に思えたから。
ワームホールブラックホール外側の映像は素晴らしかったが、ワームホール通過の間の映像はいささか古典的すぎ。『ドラえもん』のタイムマシンとまでは言わないまでも、ほぼ『コンタクト』だ。
そして訪れた別の銀河系の3つの惑星は、それぞれ水の惑星、氷の惑星、岩の惑星と、実にわかりやすい(^_^;) 氷の惑星で雲が凍っていて欠けるのはギャグにしか思えなかったけど。


岸良裕司『「よかれ」の思い込みが、会社をダメにする』

「「よかれ」と思って行ったことが深刻なダメージを引き起こすことも、珍しいことではない。これを防ぐのに、シンプルで簡単な方法がある。「これをやることで、何かネガティブなことが起こることは有り得ますか?」と質問することだ」

全体最適のためのマネジメント手法として(略)大野氏の著作から引用してみたい(略)「」遅いというのはほとんどの場合、動作・手順がちがうことによって生じる。」

「小売業の立場になって、本当に大切なものは何かを考える。それは、在庫回転率を上げること。なぜなら、在庫回転率を上げると、投資対効果(ROI)が向上し、在庫に縛られていたキャッが解放され、財務的な体質がよくなるからだ」

和菓子屋やパン屋は単純に小売業とは言えないかもしれないが、賞味期限、鮮度とキャッシュフロー的に考えれば、1ヶ月 以上の賞味期限は不要という結論になるのでは?

「その評価尺度は、人を個別最適の行動に導く危険性はないか?」