思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『大べし見警部の事件簿』深水黎一郎
☆☆☆☆

正に深水黎一郎版『名探偵の掟』だ。ノックスの十戒ヴァン・ダインの二十則を始めとする本格ミステリのお約束をテーマにしたアンチミステリ。
名探偵の掟』と異なるのは、「名探偵」が登場しないこと(刑事/警察ものである)と、メタ的発言と作中人物としての台詞の区別がないこと。
愛国的な深水節もそこはかとなく散見される。ミステリーマニアなら楽しめること間違いなしの佳作。

「細かな証拠の再検討や、被害者の人間関係の洗い直しなどの地道な作業が行われることになった。
 実はミステリー作家は、ここの部分を膨らませて、いくらでも頁数を水増しすることができる。」
ほかの部分で実際に触れているが、この作品、ほかのミステリー作家に喧嘩を売ってようなケチをつけているのも楽しい(くたばれ西村京太郎、内田康夫、とは書いていない)

115ページでは、なんと主人公の大べし見警部が脚注を書いている(ように書いている)のも凄い。地の文は三人称なのに。

「「見立て」を持ち出せば、殺人の動機は途中から、もう一切説明しなくても済むわけですよ。(略)作者サイドからすると、ものすごく都合が良いのだと思われます」
多くのミステリー作家を敵に回しながら、江草が言い切った。」
というふうに(^_^;)

「別にトンデモ説を唱えるだけが歴史ミステリーじゃないでしょう?トンデモ説を否定する歴史ミステリーがあっても良い筈です」
確かにそうだが、短編ならともかく長編でやったら怒られるだろうなあ。


『大べし見警部の事件簿』深水黎一郎
☆☆☆☆

正に深水黎一郎版『名探偵の掟』だ。ノックスの十戒ヴァン・ダインの二十則を始めとする本格ミステリのお約束をテーマにしたアンチミステリ。
名探偵の掟』と異なるのは、「名探偵」が登場しないこと(刑事/警察ものである)と、メタ的発言と作中人物としての台詞の区別がないこと。
愛国的な深水節もそこはかとなく散見される。ミステリーマニアなら楽しめること間違いなしの佳作。

「細かな証拠の再検討や、被害者の人間関係の洗い直しなどの地道な作業が行われることになった。
 実はミステリー作家は、ここの部分を膨らませて、いくらでも頁数を水増しすることができる。」
ほかの部分で実際に触れているが、この作品、ほかのミステリー作家に喧嘩を売ってようなケチをつけているのも楽しい(くたばれ西村京太郎、内田康夫、とは書いていない)

115ページでは、なんと主人公の大べし見警部が脚注を書いている(ように書いている)のも凄い。地の文は三人称なのに。

「「見立て」を持ち出せば、殺人の動機は途中から、もう一切説明しなくても済むわけですよ。(略)作者サイドからすると、ものすごく都合が良いのだと思われます」
多くのミステリー作家を敵に回しながら、江草が言い切った。」
というふうに(^_^;)