『微笑む人』貫井徳郎
☆☆☆★
「本が部屋に入らないから妻子を殺した」という不可解な理由で殺人を自白した被告にまつわるノンフィクション小説を書こうとする著者を描いたミステリー。
一見すると宮部みゆきの『理由』や東野圭吾『悪意』と共通する設定だが、読み進めて行くうちに、これはもしや作者の『プリズム』と同じかも…という疑念が頭をもたげる。
果たして結末だが、少なくともこのオチでミステリーとして完成させるには、「小説」としての筆力がそうとう必要であることは間違いない。
微笑む人 貫井 徳郎 実業之日本社 2012-08-18 |