思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

激突! 殺人拳

 ☆☆☆千葉真一追悼。 冒頭は、千葉ちゃんが死刑囚の教誨師役で出てくるので、もしかしてアクション映画じゃない? と思ったのだが、心配ご無用(^^;) 唐突にカラテっぽいアクションが始まる。 どうも教誨師は死刑囚である空手の達人に接触するためのようだ…

デューン 砂の惑星

 ☆☆☆デヴィッド・リンチ版。小学生の頃、テレビで観たが、ほとんど覚えていなかった。逆に、ドゥニ版『デューン 砂の惑星』とほぼ同じである事に驚いた。本作のほうが、その先まで観られるぶん、お得という、べきか(^^;) 特撮オタク的な視点から観ても、…

 『映画表現の教科書 名シーンに学ぶ決定的テクニック100』 ジェニファー・ヴァン・シル著/吉田俊太郎訳 フィルムアート社カメラワーク、照明、編集、音響、小道具など、映画演出にまつわる技法を紹介したもの。 それぞれについて、1つの映画の画面を、…

ポセイドン・アドベンチャー

 ☆☆☆豪華客船が転覆して、なんとか脱出しようとする、古典的パニック・アクション。 見た後も何も残らないだろうな、とは思っていたが、やっぱり何も残らなかった(^^;) 前から放送はされていたが、今回見る気になったのは、アーネスト・ボーグナインが出…

自衛戦力と交戦権を肯定せよ

 小山常実 ☆☆☆☆ 自由社雑誌の論文くらいの分量だが、憲法九条のキモともいえる、交戦権について書かれた前半と、憲法成立にまつわる後半からなる。 戦力も交戦権もない、となれば、義務教育を受けた日本人ならば、庶民的感覚からして、兵器のみならず銃弾…

生命を支えるATPエネルギー

 二井将光 ☆☆☆☆ 講談社ブルーバックス高校の化学の時間に習った、アデノシン三リン酸や、なんとか回路から始まって、生命を、化学的な相互作用であることが分かる。まさに、生命とは化学物質の反応によって活動しているのだ。したがって、病気や、薬がなぜ…

レッドクリフ2

☆☆☆☆続編ではなく後編。原題は『下』なんとかとなっていて、『下巻』的なニュアンスか。 文字通り風向きが変わるのを待ち、そこからは怒涛の大会戦。 風向きが変わらないと、火計は敵の曹操が有利なので、丑の刻までに曹操軍の攻撃をさせてはならない。そ…

キックアス2

☆☆☆★ややこしいが、『キックアス』『ヒットガール』に続く3巻め。 主人公はキックアスだが、やっぱり最後にはヒットガール無双で決着する。なんか初期の『北斗の拳』とか『魔太郎が来る』みたいな、怒りを爆発させて、というシリーズものの定番的な展開? …

『河のほとりで』☆☆☆★情報ゼロで観た。本作は、昨今ならば昼ドラでありそうな、ややこしい(複雑な)男女の人間関係で悩む人々を描いた人間ドラマ。 冒頭、主人公のおっさん(山村聰)が、飛行機でたまたま席が隣になるのが、一人の中年女性(淡島千景)。 …

『市民ケーン』☆☆☆★ 映画史的には、『2001年』と並ぶ大名作とされているので見たのだが、少なくとも物語的にはどこが面白いの? という感じだった。 まずは冒頭のニュース映画で「全然ダメダメやん(´д`)」となったのだが、本編になってからは普通に見ら…

『樹海村』☆☆☆『犬鳴村』に続く「村」シリーズ第二弾。ホラー色は薄めで、特殊メイクを多用した、怪奇ものに近いテイスト。 メインどころに知っている人や、眼福な女優がいなかったのが個人的には乗り切れなかったウィークポイント。スケール感もだいぶ小さ…

『イングロリアス・バスターズ』☆☆☆★タランティーノって、映画ファンが騒ぐほど好きになれないけど、さりとて一蹴もできない存在(作品)なのだ。 本作でも、本筋とは関係ないグダグダ会話が続くのでうんざり退屈して、早送りしたくなる。 でも、それは何か…

『ターゲットキル』☆☆☆自主制作っぽいが、それにしては頑張っている。『最強殺屋伝説諸岡』とか『ある用務員』、あるいは『ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ』に代表される、アメリカのテレビ映画みたいな雰囲気。 はたまた、『ゼイラム』と…

激マン! Z&グレート編

永井豪 ☆☆☆★ 日本文芸社『マジンガーZ』のリメイクならぬリファインと、当時の回顧録エッセイが混じったマンガだが、今回は私が知りたいエッセイ部分が少ない印象。 最初こそ、『グレート』の登場を予感させる導入だが、作中作は、『マジンガー』の話を語…

レッドクリフ1

☆☆☆☆ツイ・ハークは近年、歴史ものも含めて色々撮っているが、本作はジョン・ウーの歴史大作。なんせ前後編である。その前編。 『三国志』の中の有名なエピソード「赤壁の戦い」を描く。 いわゆるジョン・ウー的なケレン味はほぼないが、本作のラストにはし…

巨大宇宙SF傑作選 黄金の人工太陽

☆☆ 創元SF文庫20作のアンソロジー。 現在、地球上に暮らす私たちの周辺で起こる「少し不思議」系の話はほぼなく、異世界や、はるか未来の話が多い。それでいて中編にも満たない短編ばかりなので、世界観や状況を掴むので精一杯。せめて、各作品ごとに、月が…

人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ

向後千春 ☆☆☆★ 技術評論社「人はそれぞれ自分自身の理想的なスタイルを持っています。(略)これを「仮想目標(略)」と呼びます。(略)もし自分がイライラしていることに気づいたとすれば、それは自分の仮想目標がなんなのかを知るチャンスです。」「自分…

隠蔽人類

鳥飼否宇 ☆☆☆ 光文社綾鹿市シリーズではあるが、パラレルワールド的というか、他のシリーズ作品を未読でも全く問題ない。私的にも、数作、それも何年も前に読んだだけだが、元々が連続性もないし、共通する登場人物もあまりいない? 事前情報ゼロで読むのが…

ミニオンズ 再

☆☆☆☆★『ミニオンズ フィーバー』の口直しに見直さずにはいられなかった。 やっぱり文句ない出来。 ミニオン達のセリフの日本語部分を探すのも楽しい。

リアル鬼ごっこ

☆ベストセラーだし、ケータイ小説原作っぽいし、読んだ人から「読む価値なし」と聞いてもいたので、読む気も見る気もなかったのだが、柄本明や吹越満が出ているんなら、ということで観てみた。 まず分かるのが低予算感。劇伴もストリングス推しで、微妙にず…

神々の歩法

宮澤伊織 ☆☆☆★ 早川書房宇宙人に憑依された人間が周囲を破壊・殺して暴走する。それを止めるのが、パワードスーツを纏った部隊。実にラノベ的なSFなのだが、ギリギリ普通のSFしているのは、余計なセリフや無駄なト書きがないから? オチも、期せずして『シ…

ハワイ・マレー沖海戦

☆☆☆★特撮ファンなら、基礎知識と言える円谷特撮の映画だが、意外と観る機会は少ないかも。 『あぁ加藤隼戦闘隊』みたいな映画だろうと思っていたが、ちょっと違った。 おそらく、真珠湾攻撃とマレー沖海戦の成功を受けて、早々に製作・公開されたんじゃなか…

サンシャイン 2057

☆☆☆てっきりNHKスペシャルの『銀河宇宙オデッセイ』の映画版だと思って観ていなかったのだが、全然別物だった。調べてみたら、そちらは『クライシス2050』という、ちょっと似ているタイトル。 本作は、活動の衰えた太陽に、地球の全ての核爆弾を集めたやつ…

ミニオンズ フィーバー

☆☆☆原題は『ミニオンズ ライズ オブ グルー』、素直に訳せば『怪盗グルーの誕生』というところか。これ、『ミニオンズ2』? 調べると、『ミニオンズ』の正統続編ではあるが、その間に怪盗グルーのシリーズが2、3作品あるらしい、ねじれた続編。 冒頭…

『任侠東海道』☆☆☆★東映オールスター時代劇。いわゆる清水次郎長を主役にしていて、『任侠清水港』とは、シリーズ物なのかと思いきや、微妙に配役が違ったりする。 主役級の人が6から10人くらい出ていて、みんな競い合うように顔芸を頑張っていて、斬られ…

再 インディペンデンス・デイ

☆☆☆★ケーブルテレビの吹き替え版。持ってるDVDより良い画質なんだよな。つまりは、この画質で観るのは、封切り時、劇場で観た時以来、ということになる。 大統領をめぐる(?)女性関係(別に不倫とかではない)のドラマとかはバンバン飛ばして、景気のいい…

『鬼龍院花子の生涯』☆☆★名前を聞いたことのある邦画界の巨匠の一人、五社英雄監督作品ということで観てみた。 極道の女となった一般女性の生涯、ということで、『だから、あなたも生き抜いて』とか、なんか壮絶な『おしん』みたいな映画かと思ったら、極道…

卵の中の刺殺体

門前典之 ☆☆☆☆ 南雲堂2メートル四方に満たない、コンクリート製の「卵」の中で頭を刺された死体。作中では史上最少の密室と呼ばれるが、まるで清涼院流水みたい。調べてないけど、実際に『コズミック』にあったネーミングかもしれない。 名探偵たる蜘蛛手…

ゴジラ対ヘドラ

☆☆☆観るのは20年以上ぶりか。 これ、『初ゴジ』を観る際に、大東亜戦争、なかんずく米軍による東京大空襲を避けては通れないように、70年代の風俗を避けては語れない。もちろん、私も世代的に実体験はないので、仄聞しただけなのだが。 公害問題を筆頭…

クロール 凶暴領域

☆☆☆★原題は『crawl』。ワニもの、というくらいの事前知識だけで観たので、最初の、美しいプールの水泳映像の中でタイトルが現れ、選手が泳いで手でかくとタイトルが消える。まるでアート映画? というくらい地味で美しく始まるので、どんな映画? と先が読…