思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『鬼火』☆☆☆情報ゼロで観た。音楽は伊福部御大で、『七人の侍』の神セブンの一人、加東大介が主演。ただし、劇伴は必要最低限で、3、4曲しかも弦楽四重奏か、というくらいシンプルな編成の曲ばかりだった。 加東大介はガス会社の集金人。誰もいない家に入…

『来る』☆☆☆☆80年代っぽいアクションホラーかと思ったら、ド直球のホラーだった。 序盤は、妻夫木聡の薄っぺらい理想の夫っぽさが実に嫌だったが、観ていると、それも演出というか、ミスリードであることがわかるようになってくる。 中盤以降は、ある種の…

キャラクター

☆☆☆★タイトルが普通すぎて、忘れそうなのはなんとかしてほしかった。これこそ『模倣犯』とか『コピーキャット』とか。それこそタイトルにキャラクター(個性)がないやないけっ!? 見終わった後で、映画オリジナルとはいえ、脚本が浦沢直樹組の人だと聞い…

ブッシュウィック 武装都市

☆☆☆★てっきり『ジョン・ウィック』の二匹目のドジョウを狙った勝手な邦題だとばかり思っていたら、原題も同じだった。全然知らなかったけど、アメリカの都市名らしい。 主人公のバディとなる大男も、キアヌ・リーブスが激太りしたらこうなる、という雰囲気…

蟻の棲み家

望月諒子 ☆☆☆★ 新潮社単行本のオビのアオリに騙されたなぁ(´Д`) 社会の底辺に生きる人間の暗部と、そこから生じた犯罪、それを追うライターを描いた作品。サスペンスというのが妥当なところで、少なくとも「どんでん返し系ミステリー」ではないだろう。 …

ザ・デプス

☆☆☆★邦題から、ルックから、序盤の雰囲気から、そして最後まで、徹底してB級の範囲を出ない、ジスイズB級映画。逆に安心して楽しめる。 原題は『DEEP SPACE SIX』で、深海の観測基地の名前である。 そこから、DSRVを出したりして、調査をしていると、事故に…

シンデレラ城の殺人

紺野天竜 ☆☆☆★ 小学館序盤の、ラノベ感満載の文章と展開に、これはハズレだな、と辟易していたのだが、読み進めるうちに、引き込まれて行った。 読み終えてみれはま、ラノベっぽさは最初だけ。むしろ、取ってつけたようで明らかに浮いている、とも言える。 …

クレイジーモンキー 笑拳

☆☆☆★ジャッキー・チェンの本格カンフー映画シリーズ。 じいちゃんからカンフーを習ってはいるが、本気でやる気のないジャッキー。道場で道場破りを返り討ちにして小遣い稼ぎをしたりしているが、達人相手には歯が立たない。 因縁の相手に、じいちゃんが殺さ…

運命のボタン

☆☆☆★なんだか恋愛映画みたいなタイトルだが、本作はSFホラー。スティーヴン・キングみたいだな、と思ったら案の定というか、その元祖リチャード・マシスン原作だった。 原題は「THE BOX」というボタンのシルエットを的確に表したもの。 割と最近の映画な…

『ミニオンズ』☆☆☆☆★子供向け映画ではあるのだが、だがそれゆえに隙の全くない、これまたある種の「完璧映画」では? 下手すると1カットごと、少なくとも1シーンに1つはギャグ演出が入っているし、テンポもよくガンガンストーリーが進む。ミニオン語は、…

カンニング・モンキー 天中拳

 ☆☆☆★オープニングから、カンフー映画あるあるのコント。しかもドリフがやるようなベタベタのやつ。 ちょっとカンフーはかじってはいるものの、素人相手ならともかく、本格的な拳法家にはまったく歯が立たないゴンことジャッキー。勘違いや漁夫の利から、…

黄色いチューリップの数式

バリー・メイザー著/水谷淳訳 ☆☆ アーティストハウス数学に関する散文詩、あるいはエッセイという感じで、(こと文系の私には)もつひとつピンと来る発見はなかった。「数学は、知力を駆使しさえすれば、実体験や言語や知識に関係なくすべての人間が理解で…

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

 ☆☆☆★タイトルから、内容は推測できるが、ドローンを使った戦争もの。原題も同じ展開『EYE IN THE SKY』。『天の眼』と『空にいる私』のダブルミーニングやね。 同じくドローンをテーマにした『ドローン・オブ・ウォー』とは、家からコンテナに出勤するの…

紙の月

☆☆★一見良さげだが、私には全然ダメだった。 第一に、宮沢りえが見るに耐えない(^^;) カットによっては和田あき子にしか見えなかったり(´Д`) 不倫する理由が描かれないのも不満。あんな見てるだけで付き合えるなら、オレでも付き合えるわ(爆)(´Д`) まあ…

黒い童謡(うた)

 長坂秀佳 ☆☆☆★ 角川ホラー文庫プロローグがなく、エピローグだけがあるが、四つの短編には、童謡とカラスくらいしか共通点がない。書名は『カラスのうた(童謡)』としてもいいくらいだ。『春・ずいずいずっころばし』☆☆☆★ 降霊術と、体外離脱を組み合わ…

『蒼天の拳 リジェネシス(3)』 ☆☆☆★良くも悪くも『北斗の拳』のテイストをちゃんと醸し出している。原哲夫が描いていた『蒼天の拳』が歴史もののテイストに堕して(変化して)しまったのとは対照的。この辺は『スターウォーズ』のプリークェルとシークェルの…

凍りの掌

おざわゆき ☆☆☆☆★ 小池書院少女漫画家が、実際にシベリアに抑留された父の話を元に描いたノンフィクションマンガ。 目が点な、エッセイマンガみたいな(まあ、実際にあったことを描いた、という点では同じではあるが)キャラなのに、内容がとんでもなくハー…

『機動戦士ガンダム00 RE:BUILD』☆☆★舞台を撮影したソフト。元がテレビシリーズ、しかもスケールの大きなロボットものなので、どうやって舞台化するのか? 首を傾げたものだ。 その結果はといえば、コックピットを黒子が動かしたり、そのコックピットで操…

『怪猫 からくり天井』☆☆★いわゆる、佐賀の化け猫騒動という、史実をベースにしたお話。 御家騒動をベースに、妖怪ものの怪談テイストをプラスした作り。 古典的な歌舞伎の演出が随所に見られるのは戦後の邦画の特徴で、人間の女が油をすする時に猫の影にな…

『Nile ナイル』☆☆★「東映エクストリーム」チャンネル。どの辺がエクストリームなの? エクストリームに平凡なのか?(´д`) 吉村作治原作、というからその時点でかなりのキワモノ感が漂う。序盤には役者として出てくる(しかも本人役ではない)し。おまけに思…

『現金(げんなま)に手を出すな』☆☆井筒監督オススメという事で見たが、全然面白くなかった。白黒というのが意外だったし、感想を書く段になって調べたら、キューブリックの第1作だったのか・・・ ・・・と、ここまで書いて、何かおかしい。 あ、上述した…

『怪談 蛇女』☆☆☆★事前情報ゼロだが、なんとなく江戸時代が舞台の白黒映画かと思ったら、カラーで、戦前の大地主と小作人の話のようだ。 『播州皿屋敷』をみるまでもなく、こういうのは暴虐非道なヤツに、虐められて、その復讐に幽霊が出てくる、というのが…

ブレイブ・ハート

 ☆☆☆★観ている途中で見た、町山氏の解説で、「スコットランド独立という史実をベースにしているが、映画的にドラマチックな細部はほぼ創作」と言うことを知ったので、観る気が半減した。約3時間と長いのに(^^;) 剣を鎧のファンタジーとは馴染みのある舞台…

21ブリッジ

 ☆☆☆☆どんな映画なのか想像つかないタイトルだが、邦題をつけるなら正しく『深夜の大捜査線 マンハッタン・ブリッジを封鎖せよ!』だ。 麻薬強奪&警察官大量(7人)殺人犯を追うために、現場であるマンハッタン島につながる橋(ホントは17らしいが、な…

アド・アストラ

 ☆☆☆★事前情報ほぼゼロで観た。ちょっと地味だなぁ。派手にできる要素はいくらでも転がっていたのに、そうしていない。 『地獄の黙示録』ということだが、私が連想したのは、『2001年』『2010年』『ミッション・トゥ・マーズ』『ゼロ・グラビティ』だった…

ロシア・ウクライナ戦争

ウォー・マシン・レポート(115) アルゴノート社 ☆☆☆☆テレビや新聞では分からない(見聞してないから知らんけど)戦争のディテールが分かる一冊。ちなみに、雑誌『パンツァー』の記事をまとめたもので、内容的には、5月上旬までの戦況。 「T−64(略)ウ…

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ動物王国

☆☆☆☆ざっくり言って、『クレしん』映画には、当たりとハズレがあるが、本作は当たり。見分け方としては、最初の10分くらいの日時ギャグ描写が面白ければ、最後まで面白いことがほとんど。最初の10分とは、映画版のテーマ説明(ギャグを交えながら)だ…

『ビルとテッドの時空旅行』☆☆☆★『トップガン マーヴェリック』が約40年ぶりの続編とか言ってるけど、その前にこれがあったんだよっ! と言いたいのが『2』から約30年ぶりの続編である本作。当然、主演二人も続投の直接の続編なのだ。 原題は『Bill & T…

『アウトポスト』☆☆☆★よりによって『ブラックホーク・ダウン』の後に観たのが最悪の順番だったのかも(^_^;) ヘリの外観がCGだとか、画面のコントラストが弱い(特に室内やナイトシーン)とか、マズルフラッシュが合成だとか、爆発の煙の厚みもないとか、同じ…

『賭博打ち』☆☆☆★情報ゼロで観た。鶴田浩二って、松方弘樹みたい、という感じで親しみやすかった(^_^;) ヤクザというにはちょっと頼りない感じだけど。少なくとも高倉健主演映画よりは観やすかった。 庶民(素人)代表みたいな感じで山城新伍が出ているが、…