思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

黎明の笛 陸自特殊部隊「竹島」奪還

 数多久遠 ☆☆☆☆ 祥伝社文庫アニメオタク、あるいは軍需オタクなら、すぐにピンとくる。本作は、展開からテーマ性に至るまで、まんま『パトレイバー2』やん?! また、同作とは違って、展開が早いのは良い点。ただ、逆に、本作のプロローグとエピローグは…

『見えない目撃者』☆☆☆☆同名の韓国映画を日本でリメイクしたらしい。こういう成功作があったのに、なぜ『キューブ』という駄作が生まれたのかなぁ(´д`) それはともかく、盲人が事件の目撃者、という設定は、ミステリーとしては意表をついた設定で面白い。犯…

『ミッドナイト・アフター』☆☆☆香港(中国)映画で本格SFというのは珍しいなぁ、というので見てみた。ハリウッド映画でよくあるアンバー系のルックが特徴。 とある乗合バスに乗った10人くらいが、とあるトンネルを通っている間に、世界が一変。街中から人…

バクマン 追記

現在に寄せるなら、サイコーが神木隆之介で、シュージンが佐藤賢でしょ?

オデッセイ

☆☆☆☆普通に面白い。特に欠点らしい欠点もない。ハードSFである原作を、うまく消化していると思う。 冒頭でいきなり事故が起き(原作通り)、終始テンポよく進んで、最後まで飽きさせない。 ただ、主人公がポジティブというキャラ設定の功罪か、絶体絶命感が…

蒼天の拳 リジェネシス(2)

 ☆☆☆☆これぞまさしく『北斗の拳』であり、『ジョジョ』の2部のキャラで、1部の展開をやっている、実に不思議なマンガだ。 デッサンも、ちょっとマシになった。

ヤマタイカ(5)

 星野之宣 ☆☆☆★6巻が完結だと思っていたのだが、文庫は本巻がラストだった。 南からのええじゃないか集団と、北海道からのええじゃないか集団が、自衛隊の封鎖を突っ切って東京へ。このへんのリアリティは、防衛出動を、いち方面司令官が命じたりと、かな…

アオラレ

 ☆☆☆★原題は全然違うが、冒頭にはアオリ運転を中心としたアメリカの車社会の問題が、テレビのニュースというかたちで提示されるので、邦題としては全然間違ってはいない。ただ、映画のテイストとしては人間怖い系ホラーなので、ちょっと違うかな……。カタ…

出版禁止

 長江俊和 ☆☆☆★ 新潮文庫ややこしいが、『カミュの刺客』という作中作が9割を占め、プロローグとエピローグでサンドイッチされた長編。 有名ドキュメンタリー監督と愛人の心中から生き残った女性を取材していたルポライターによる、未掲載原稿を発掘した…

『丹下左膳 完全版』☆☆☆私的には、丹下左膳というと、槍の達人? と勘違いしてしまうくらいの知らないーず。 オールスター映画なのか、本筋とは直接関係ないような準主役的な登場人物が多くて、知識ゼロの後世の我々(私だけ?)には把握しづらい。 柳生の壺…

『閉ざされた森』☆☆☆★原題は『BASIC』。邦題にしても地味すぎるので、見る気にはならないのだが、CSでのアオリ文句「食い違う証言」「『羅生門』的な」というのに惹かれて観た。主演はトラボルタとサミュエル・ジャクソン。 冒頭の、密林を飛ぶヘリの映像か…

星空にパレット

安萬純一 ☆☆☆★ 創元推理文庫ノンシリーズのミステリー短編集。 『黒いアキレス』☆☆☆ 学校内で起きた強盗事件。犯人は黒い服にフルフェイスのマスク。実写化でもしたら相当違和感のある出立ちである。おまけに100メートル12秒くらい、という俊足。犯人が…

スカイライン 逆襲

☆☆★低予算ながらそれを感じさせないクオリティのCGと、豪快なオチの佳作であった第1作。 そのラストから、まさかのバトル要素を全面に押し出した続編『奪還』。 どちらにも魅力があっただけち、『3』となる本作にも期待がかかったのだが、期待はずれ(^^;) …

ザ・ウォード 監禁病棟

☆☆☆★ジョン・カーペンター監督。作中に出てくるが、「ウォード」とは「監禁病棟」の意味らしい。 田舎の一軒家を放火して捕まった少女は、精神病院から抜け出してきたらしいが、そうじゃないのかも。 精神病院では、冷酷な婦長と、いかにもレイプでもしそう…

バクマン

☆☆☆★実写映画版。原作と比べると、漫画家業界のリアリティは欠けているものの、映画的な人間ドラマを盛り上げるため、と解釈できる。 それは、『アオイホノオ』的な、シンプルな「マンガにかける青春」だ。 本作の独自性と、ある種の舞台設定のリアリティを…

密室黄金時代の殺人 雪の館のと六つのトリック

鴨崎暖炉 ☆☆☆ 宝島社文庫密室殺人が証明されれば無罪、という世界で起こった雪の山荘での 連続殺人事件。という設定は面白そうで読んだのだが、読み進める内に違和感が膨らむ。 キャラの会話は妙に軽いし、密室トリックは、物理というか機械トリック系で、…

『鉄道好きのための法律入門』小島好己 ☆☆☆ 天夢人テツの弁護士によるもの。大体は鉄道関連の本やテレビで自然と身についていることや、一般常識の範囲内ではあるが、知らなかったことも少し。「1人で乗車するときに指定席券を2枚購入(略)ダメ」 「JR北…

13時間 ベンガジの秘密の兵士

☆☆☆☆マイケル・ベイ監督。ベンガジの領事館襲撃事件の実話を元にした映画。 イスラム過激派の攻撃を、ネイビーシールズの6人が奮闘し、デルタフォースの援軍が来るまで死守し、なんとか脱出した事件。 原題も『13Hours』で、頻繁に現在時刻がスーパーで表…

熱帯夜

曽根圭介 ☆☆☆★ 角川ホラー文庫『熱帯夜』☆☆☆☆ 新婚夫婦の別荘に遊びに行ったら、借金取りのヤクザがやってきて……という感じで物語が始まる。そして交通事故のエピソード。タイムリミットサスペンスかと思いきや……。ネタバレなしで書くのが難しいが、平山夢…

蒼天の拳 リジェネシス(1)

☆☆☆★原哲夫の『蒼天の拳』は、『北斗の拳』のプリークェルーということで期待したのに、歴史ドラマみたいで地味だったので読むのを辞めていた。 こちらは、帯を見るに、ちゃんとバトルしてたので買ってみた。 確かにバトルは満載で、なおかつ『北斗の拳』…

『右門捕物帖 片眼の狼』☆☆☆事前情報ゼロで観た。知っている人は一組だけ。漫才好きなら知っている、あの「いとこい師匠」だ。でも、タイトルでその名前を発見して驚いて気をつけて観ていたが、全然わからない。メガネをかけてないし、関西弁の人もいない。…

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』☆☆☆★要するに、アニメ版『The ORIGIN』の手法で作られた映画。絵コンテは安彦氏なので、カトキ版全開だったルウム戦役編以前の、月面抗争とかのノリ。 言いたいことはキリがないので、箇条書きに。良かったとこ。 …

影の軍団 服部半蔵

 ☆☆てっきり千葉真一だと思って観たら、渡瀬恒彦と西郷輝彦だった。監督こそ工藤栄一なので、だんぜん期待したのだが、本作はハズレ。『二十一人の忍者』もそうだったが、監督は忍者嫌い?(^^;) その疑いが顕著なのは、中盤の敵の忍者との戦い。ヘルメット…

『十三人の刺客(1963年)』再 ☆☆☆★前回は公式YouTubeで観たが、今回はCSで。 テレビで見ると、静的なカットではほぼ全カットで構図の素晴らしさが際立つが、逆に乱戦ではそこまでのキレはない。 クライマックスが乱戦かつ、長いので、ちょっと盛り上がりに…

最後の宇宙飛行士

 デイヴィッド・ウェリントン著/中原尚哉訳 ☆☆☆★ ハヤカワ文庫SF解説に『宇宙のランデヴー』みたいとあれば、クラークファンとしては読まずにおれない。 たしかに、太陽系外から、葉巻型の巨大宇宙船が減速しながら接近する、というのは同作と非常によく…

虹の歯ブラシ 上村らいち発散

早坂吝 ☆☆☆★ 講談社文庫上村らいち、すなわち援助交際探偵シリーズ第二弾。 彼女は曜日ごとに売春相手を変えて、歯ブラシも7本すなわち虹色のものを揃えている。ってことは当然、買春側も知っているはずだが、そのへんはあまり触れられない。らいちが絶世…

『ラッキーナンバー7』☆☆☆★原題は『Lucky Number Slevin』。ブルース・ウィリスとモーガン・フリーマンが出ている、というくらいの情報で観た。 冒頭で主人公がブルース・ウィリスに殺される? という衝撃的な幕開け。 彼は主人公ではなく、本当の主人公は…

『永遠の門 ゴッホが見た未来』☆☆☆★ゴッホの半生を描いた作品だが、ストーリーはどうでも良くて、芸術映画である。 ゴッホの数々の絵を完全再現したルックは、偏執的とも言える凄さ。 ウィレム・デフォーもゴッホの肖像画そのまま、という感じ。それ以外も、…

『初女と初恋の森』☆☆ R15のピンク映画。森の奥で自殺しようとした青年の隣に、お尻を丸出しにした(うんちをしようとした)女性が・・・。というところから始まる。 女性は林業に従事する人で、青年は彼女についていって、親方の元で住み込みで働くことにな…

『トップガン・マーヴェリック』☆☆☆☆★「ライド映画だし、映画館で体感せねば!」という、マイケル・ベイ映画的な軽いノリで行ったら、見事にノックアウト。最初から最後まで(ずっとじゃないよ)泣いてました。クライマックスなんて、『ロード・オブ・ザ・リ…